「生活、食事、活動に分類した電力データを100点満点でスコア化し、規則正しく健康的な生活を送っているほど高い数字が出ます。スコアの乱高下が激しいと、高齢者の場合、フレイルや軽度の認知症が疑われます。家族や主治医、介護関係者などで情報を共有することで、生活習慣の改善を促すことができます」(梅田研究教授)
心拍数や歩数などのバイタルデータの代わりに、家での家電の使われ方(電力データ)をモニタリングすることによって、健康管理をしていくというわけだ。電力センサーには分電盤から電力が供給されるので、バッテリー切れの心配がない。スマートウォッチの課題である充電の問題からも解放される。
ウェアラブル端末のデータ収集は
抜けがありじつは精度が高くない
健康管理に必要なデータの収集について検討していた当初は、梅田研究教授もスマートウォッチの活用を念頭に置いていたそうだ。しかし、結果は失敗。梅田研究教授が奈良県で300人にウェアラブル端末でバイタルデータを取る実証実験を行ったところ、3カ月で70%の人が脱落。
1年経過して継続しているのはたった10%未満に終わった。加えて、入浴時や睡眠時に外してしまうなど、24時間継続したデータが取れないこともデメリットになった。
「ウェアラブル端末のデータは抜けが多いんです。特に高齢者の場合はITに拒否反応を持つ人が多く、使い慣れていないので、自分で連続してデータを取ることは現実的ではありませんでした。隙間だらけのデータでは、精度が低い診断になってしまい、使い物になりません」
梅田研究教授は当時を振り返って、こう語る。
「そこで考え付いたのが、電力データのモニタリング。これなら、対象者は何もしないでいい。365日抜けのない電力データとスポット的に取ったバイタルデータを組み合わせることで、その人の健康状態を正確に把握できるようになったのです」
梅田研究教授もスマートウォッチの欠点を十分に理解していたわけだ。それにしても、1年365日、途切れることのない健康管理のデータが取れるというのは、物凄い強みだ。







