メタプラの含み損は2000億円超
早々に撤退して逃げる企業も

 この流れは、日本の「ビットコイン・トレジャリー企業」も直撃している。ビットコイン・トレジャリー企業とは、本業のビジネスとは別に、ビットコインを準備資産(トレジャリー資産)として保有する財務戦略を取る企業のことだ。

 このビットコインに投資する財務戦略で、一時は時価総額が1兆円を超えたのがメタプラネット(3350)だ。2026年2月6日時点で、ビットコインを平均取得単価1595万円で取得し、5597億円相当保有するが、一時2000億円超の含み損を抱えた。

 日本には、メタプラのようなビットコイン・トレジャリー企業が20社ほどあるといわれている。ANAPホールディングス(3189)や、コンヴァノ(6574)がそうだ。

 社数が増えた背景にあるのは、東証がグロース市場の上場維持基準を、時価総額40億円から100億円に引き上げたためで、本業の実力では達成困難な企業が、ビットコイン頼みで、手っ取り早く時価総額の拡大を狙ったと言われている。

 しかし、ビットコイン価格の急落で、この戦略が仇となってしまった。本業の不振をビットコインで補おうとしたが、財務を直撃しているのだ。

 ビットコイン価格が1年4か月ぶりの安値水準になったことで、西山さんは「ビットコイン・トレジャリー企業は、ほとんどが含み損を抱えているはず」と分析する。

 というのも、1年4カ月前には、日本においてこれほど多くのビットコイン・トレジャリー企業はなく、各社の取得コストは現在よりも高いとみられるからだ。

 例えば、CRAVIA(6573)は、保有していたビットコインを全量損切りした。「投資額から30%下落した場合は、全量を売却する」というロスカットルールを設定しており、これに抵触したためだ。 平均取得単価は約1700万円で、全量を5677万円で売却し、売却損失は795万円になった。

 他社が含み損に耐える中で、早々に撤退した事例だ。

 メタプラも2025年12月期の決算発表を2月16日に控えており、1000億円超の評価損の計上が見込まれている。さらに株価下落で、以前のように新株発行による資金調達にも苦戦しそうだ。

コールオプションの建玉が目安
中長期では10万ドル回復を見込む

 ビットコイン価格は、節目の7万6000ドルを割ったことで、底値を探る展開となった。

「2024年2月~10月の調整局面では、5万~7万ドルのレンジでもみ合いました。当面は、このゾーンがサポートラインとして意識されそうです」(西山さん)

 一方で、長期目線では市場の強気姿勢が完全に崩れたわけではない。その判断材料になるのが、コールオプション。将来の決まった日に、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)でビットコインを買うことができる権利のことだ。

「コールオプションの建玉をみると、10万ドルの水準に最も多く集まっています。短期的には下落していても、将来的には10万ドルまで回復すると見ている市場参加者が多くいることを示唆しています」(西山さん)

 特に2026年12月末満期の10万ドルコールへの集中が目立っており、一つの目安になりそうだ。

本記事は2026年2月10日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。