ロシアの飛び地カリーニングラードと国境を接する、リトアニアのマリヤンポレ近くに設置されたコンクリートブロックPATRICK WACK/INLAND FOR WSJ
【マリヤンポレ(リトアニア)】欧州各国政府はロシアとの戦争に備えているが、新たに公表された机上軍事演習の結果は、欧州の準備不足を示唆している。
欧州の安全保障・政治指導者の多くは、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)加盟国へのロシアの侵入、あるいは全面侵攻の可能性が高まっていると指摘する。背景には、グリーンランド、ウクライナ、貿易などを巡るドナルド・トランプ米大統領との対立がある。
ロシアは 戦時経済 に移行し、ウクライナでの作戦に必要な規模をはるかに超える軍備増強計画と兵士募集に国家資源を集中させていると、彼らは指摘している。
重要な問題は、ロシアがいつ行動するかだ。ドイツなど各国政府の間では以前、ロシアは2029年ごろまではNATOを脅かすことはできないとの見方が主流だった。しかし現在では、そうした危機がもっと早く、つまり防衛投資を拡大している欧州が反撃態勢を整える前に起きる可能性があるとの見方が広がっている。
オランダのルベン・ブレケルマンス国防相はインタビューで「われわれの評価では、ロシアは1年以内に大量の部隊を移動させることができる」と述べた。「ロシアはすでに戦略的備蓄を増やしており、NATO国境沿いでのプレゼンスと軍事資産を拡大している」
ウラジーミル・プーチン大統領はロシア帝国の栄光を復活させたいと考えており、かつて同帝国の一部だったリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国が明らかな標的となっている。3カ国はいずれも20年前にEUとNATOに加盟している。
リトアニアの国家安全保障顧問デイビダス・マトゥリョニス氏は「わが国では不安が目に見えて高まっているが、一方で自国を防衛する準備をしている」と述べた。リトアニアはロシアの侵入があった場合、米国や他のNATO同盟国が支援することを期待しているが、リトアニア軍を過小評価すべきではないと同氏は付け加えた。「彼らは確実に戦う。援軍が到着する前であってもだ」







