筋トレの新常識!努力がムダになってしまう人の“3つの勘違い”【最新研究で判明】昔ながらの考え方に従って筋トレを頑張っても、思うような成果を上げられない可能性は高い。その理由とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、トレーニングが科学的に検証されるようになって、筋トレ常識は大きく変わりました。筋肉を効率的に鍛えるための方法論もずいぶんと刷新されています。たとえば、筋トレに次のようなイメージを抱いていないでしょうか?(1)重いウエイトを使えば使うほど、筋肉は大きく、強くなる。(2)筋トレでは筋肉を縮めるときに特に力を入れる。(3)筋トレは毎回、時間をかけてじっくり取り組む。これらは、すべて科学的に正しくない筋トレ常識です。この昔ながらの考え方に従って筋トレを頑張っても、思うような成果を上げられない可能性は高いでしょう。その理由を、カリスマトレーナー山本義徳さんの著書『山本式「レストポーズ」筋トレ法』(青春出版社)から説明していきましょう。

「機械的物理的ストレス」を与えるのが
筋トレ常識?

 ご存じの方も多いと思いますが、筋トレの世界ではストレッサーであるウエイトなどの上げ下げの回数をレップ(Repetition〈繰り返し・反復の意〉の略)で表します。たとえば、80kgのベンチプレスを10回上げ下げしたら、10回レップス行ったと言ったりします。

 そして、その人がギリギリ1回挙上できる重さを1RM(Repetition Maximum)として、自分のトレーニングの基準にしています。一般的に10レップスがギリギリでできる目安は、1RMの75~80%のウエイトです。つまり100kgのベンチプレスをギリギリ1回上げられる人であれば、75~80kgでは10回程度上げられるということになります。

 まず、筋肉が発達するときのストレッサーとして一般的に重要なのは、「機械的物理的ストレス」です。

 一般的なウエイトトレーニング、すなわち1RMの70~90%の重量で行うヘビーなトレーニングは、まさに筋肉に機械的物理的ストレスを与える作業になります。従来は、これがバルクアップ(筋肥大)を実現するためのトレーニングの常識でした。

「重いウエイトを使えば使うほど、
筋肉は大きく、強くなる」……×

 しかし最近になって、軽い重量でのトレーニングも、同じように筋発達を促すことが判明しました。

 もともと軽い重量で多くの回数のトレーニングを行うと、細胞内にあってエネルギーを作り出すミトコンドリアを活性化させ、筋持久力が高まることはよく知られていました。

 それとともに、1RMの30~40%程度の重量で多くの回数をこなすことにより、筋肉内に水素イオンやアンモニアなどの疲労物質が蓄積し、同時に、酸素やATP、クレアチンリン酸の不足、活性酸素の発生などが起こります。このような筋肉内の環境悪化が、筋肉に「化学的ストレス」を与え、筋発達を促すことがわかってきたのです。

 筋肉は、筋タンパク合成酵素が活性化して、筋肉のタンパク質が増えることで発達していきます。その際、物理的刺激・化学的刺激のどちらであっても、筋タンパク合成酵素を活性化させることが明らかになったのです。

 腕立て伏せ(プッシュアップ)を例にとりましょう。トレーニング初心者でギリギリ10回くらいしかできなかったとします。このような場合は、自体重(自重)による腕立て伏せ10回でも、その人にとってはヘビーな負荷(1RMの75~80%程度)になります。

 この場合は、「物理的なストレス」を筋肉に与えていることになります。

 いっぽう、トレーニング経験者であれば、30回くらいはできるかもしれません。10回やった時点ではなんということはなく、物理的ストレスはそれほどかかりません。でも、正しいフォームで腕立て伏せを行えば、たいてい20回くらいからキツくなり、30回の時点では筋肉がパンパンになっているはずです。