このように、身体の向きを同じ方向にし、視線を同じ対象に向けるだけで、2人の関係性は「対立」から「協働」へと劇的に変化します。
あなたは「評価する人」、部下は「評価される人」ではなく、「同じ目標(例えば、PC画面に映し出された課題)に向き合うパートナー」という構図が生まれます。
この位置関係は、あなたの心理的負担を劇的に軽くします。なぜなら、もはや部下本人を「攻撃」するのではなく、2人で共通の「問題」に立ち向かう形になるからです。
「欠点」ではなく「問題」に注視
ステップ(3)「敵」を見直す
最後のハック。それは、あなたの心の中の「敵」を再設定することです。
フィードバックが怖いのは、無意識のうちに「部下そのもの」を敵と見なしてしまっているからです。
「部下の欠点を指摘する」と考えた瞬間、あなたは部下と対立する構図に自分を追い込んでいます。
そうではありません。あなたと部下が戦うべき本当の敵は、目の前の人間ではなく、二人の間に横たわる「問題」や「課題」そのものです。
例えば、「報告書の提出期限をいつも守らない部下」がいるとしましょう。
このとき、あなたの敵は「約束を守らない部下」ではありません。
本当の敵は、「提出期限が守られないという“状況”」です。
この視点に立つと、あなたの言葉は自然と変わります。
- ●敵が「部下」の場合の言葉
- 「彼はどうしていつも期限を守れないんだ?私を軽く見ているんじゃないか。仕事をなめているんじゃないか」(→相手や自分を否定する言葉になりがち)
- ●敵が「状況」の場合の言葉
- 「○○さん、今、報告書の提出が遅れがちになっているという“状況”が起きているよね。このままだとプロジェクト全体に影響が出てしまうよね。
- この“状況”を解決するために、何か困っていることや、私に手伝えることはないかな?一緒に原因を考えて、改善策を見つけたいんだけど、どうだろう?」(→相手に寄り添い、共に問題解決を目指す言葉になる)
『「言いにくいこと」をうまく伝える』(司 拓也、フォレスト出版)
いかがでしょうか?
後者の伝え方であれば、あなたは部下を「攻撃」する必要がありません。むしろ、部下の隣に立ち、「一緒に敵(=状況)と戦おう」と呼びかける共感型のリーダーになれます。
このスタンスは、あなたの心理的負担をゼロに近づけるだけでなく、部下との信頼関係をより強固なものにしてくれるでしょう。







