健康を左右する要因は数多いが、その土台にあるのは筋肉の状態である。実は筋肉の量と質は、人生全体に影響する大きな問題だ。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』から、内容の一部を特別公開する。
Photo: Adobe Stock
筋肉はただの見た目の問題ではない
仕事のパフォーマンスを上げたい。病気にならず長く健康でいたい。毎日をできるだけいい気分で過ごしたい。そう考える人にとって、優先順位の高い行動は何か。
筋トレである。
医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオンによる著書『筋肉が全て』は、現代人の健康問題を「脂肪の過多」ではなく「筋肉の不足」という観点から捉える。筋肉は単なる運動器官ではなく、代謝や免疫、血糖調整に関与する能動的な組織であり、全身に影響を与える存在だという立場をとる。
なぜ筋トレが重要なのか。それは、筋肉という組織が、身体機能だけでなく代謝や気分といった広範な領域に関わっているからである。著者は筋肉を「長寿のために働く臓器」と定義し、その作用について次のように述べている。
・長期的な効果としては、身体と骨の強化、血液プロファイルの改善(中性脂肪の減少など)、代謝の維持、ほぼすべての病気に対する抵抗力、気分の改善などがある。――『筋肉が全て』より
筋肉量は加齢とともに減少する。30代以降、その傾向は徐々に進行し、放置すれば身体機能の低下や生活の質の悪化につながる。
一方で、筋肉は刺激に応答する組織でもある。適切な負荷と十分なタンパク質摂取があれば、年齢にかかわらずポジティブな変化が起こる。
筋肉の健康が生命の質と寿命に直結している
あなたがいますぐ筋トレをすべき理由は、次の一文に凝縮されている。
健康投資にはさまざまな選択肢がある。しかし、筋トレは身体の基盤そのものに働きかける手段だ。将来のQOLと寿命が筋肉量に依存しているとすれば、そこに取り組むことは最優先課題と言えるはずだ。
筋肉は、自らの意思で変化させることができる数少ない身体資源だ。年齢や状況に応じた方法で構わない。まずは動き始めてほしい。
(本記事は、ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からの抜粋です)
医師(DO)。イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。







