一度決めたら貫く――それが美徳だと思い込んでいませんか。不確実な世界で生き残る鍵は、実は「やめる」「倍賭けする」を選べる柔軟性。コミットよりオプションを残す判断は、あなたの組織にありますか?
楽天グループ代表取締役会長兼社長・三木谷浩史氏をはじめ、Google元会長やZoomの創設者も絶賛する世界的ベストセラー『1兆ドル思考 世界一流の成功をもたらす9原則』をもとに解説します。
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なぜ米国で1兆ドル企業が続々生まれるのか?
私たち(イリヤとウィル)は国別の比較も行った。
米国でなぜこれだけ多くの新たな巨大テック企業が誕生するのか不思議に思ったことはないだろうか。
ドイツのグーグル、フランスのテスラ、日本のアマゾン、イタリアのフェイスブック、英国のアップル、カナダのマイクロソフトなどというものを聞いたことがあるだろうか。ないはずだ。
その理由は何か。ベンチャーキャピタルだ。1970年代後半以降、米国ではVC業界が急拡大したが、他のG7諸国では、つい最近まで、存続可能なVCセクターは存在しなかった(おそらくいまだに存在しない国もある)。
1970年代に米国のVCセクターが台頭した後、米国は他のG7諸国すべてを合わせた数の2倍にのぼる新興企業を生み出した。
私たちの研究は、今日存在する米国の大手上場企業上位300社のうち、5分の1の立ち上げにベンチャーキャピタリストが非公式に関わった事実を明らかにしている。
さらに、VCの支援を受けた米国の最大手企業の4分の3は、VCの支援がなければ存在していないか、現在の規模に達していなかったと試算される。
これは、近年のグローバルVCの台頭が世界経済の未来にとって極めて重要である理由の一つだ。
このデータは、VC業界こそが米国の企業成長の主要エンジンであることを如実に物語っている(ワシントンDCとサクラメントにいるもっと多くの人々がこの事実に注目することを願う!)。
だが、本書はベンチャーキャピタリストを褒めたたえるための本ではない。
ベンチャーキャピタリストが磨き上げ、活用し、世界を変えるような成果を生み出したスキルを、あなたを含む今日の意思決定者が理解し、身につける方法について説明した本だ。
世界は変化している。これまでは、パソコンや商用インターネット、スマートフォン、ソーシャルネットワーク、植物由来肉、民間宇宙ロケットの開発にまつわるおなじみの物語の中心にいる主役は、常に創業者だった。
起業家精神に駆られて、未来のビジョンを実現した唯一無二の人物たちは、私たちを魅了してやまない。
だが、そのビジョンに資金を提供した投資家がいなければ、彼らはそれを成し遂げられなかっただろう。
ベンチャーキャピタリストは、こうした世界を変える企業の台頭をその資金で後押ししただけではない。
成功と失敗に対する独自のアプローチを持ち込み、支援するすべての企業のDNAにそれを焼き付けたのだ。
このユニークな思考法と取り組み姿勢を私たちは「ベンチャーマインドセット」と呼ぶ。
(本記事は『1兆ドル思考 世界一流の成功をもたらす9原則』から一部を抜粋・編集しています)







