しかし、どれだけ多くの知識を頭の中に詰め込んでも、それを必要なときに取り出せなければ意味がありません。
たとえば、自分のクローゼットに服をしまおうとしているとしましょう。もしあなたがどれだけ大量の服を持っていても、それがぐちゃぐちゃに詰め込まれていて、「あの服って、どこにしまったんだっけ?」と収納場所がわからなければ、必要なときに取り出すことができません。つまり、その服は“持っていない”のと同じです。
勉強においても同じことが言えます。この場合の服は情報で、クローゼットは脳です。英単語でも歴史の用語でも、数学の公式でも、ただ“詰め込む”だけでは学力にはつながりませんよね。頭の中に情報を入れたとき、それをしっかり“整理する”作業が必要になります。
つまり、「どこに何が入っているのか」「どういう順番で思い出すのか」「その知識はどんな場面で使えるのか」といった情報の“配置”や“意味づけ”がなされて初めて、それは生きた知識として使えるようになるのです。
そして、この“取り出すための訓練”こそが、今まさに必要とされている学びの形です。
それを最も体系的に行える学習法の1つが、これから解説していく「アクティブリコール」なのです。
取り出す力を鍛えるトレーニング
「アクティブリコール」
アクティブリコールとは「見た情報を何も見ずに思い出す」ことを繰り返す学習法です。
英単語帳を見て英単語を覚えたら、その単語の意味を何も見ずに自分の力で書いてみる。覚えた歴史の出来事について、何も見ずに年号を言えるか、因果関係を説明できるか、自分の口で語ってみたり頭の中で再現したりする。
このように、「思い出す」ことを通して記憶を強固にし、知識の整理を行うのがアクティブリコールです。
これは、クローゼットの中の服を定期的に取り出して確認する行為に似ています。何がどこにあるのか、必要なときに素早く取り出せるようにしておく。その結果、服も知識も「使える状態」になるのです。







