新幹線の車両は、この東京新幹線車両センターの中で、汚物を抜き取っている。
……と言われても、その作業がいったいどのようなものなのかはよくわからない。想像もつかない。そもそも、汚物を蓄えているタンクは床下にあるから、普通はタンク自体を目にすることだってないのだ。
昭和の昔はともかく、いまは令和のご時世だ。なんとなく想像するに、近代的で清潔で、端から見れば汚物を扱っているなどとは思えないようなハイテクなシステムが構築されているのだろうか。だって、天下のJR東日本、天下の新幹線ですからね。
などといくら妄想をたくましくしたところで、百聞は一見にしかず。実際の汚物抜き取り作業の現場を見学させてもらうことにした。
関東地区で新幹線の汚物抜き取りや清掃作業などを行なっているのは、JR東日本のグループ会社「JR東日本テクノハートTESSEI」(テッセイ、以下TESSEI)だ。同社は東京駅や上野駅、また車両基地などにサービスセンターという事業所を置き、そこを拠点に作業を行なっている。
東京新幹線車両センター内にあるのは田端サービスセンターだ。車両基地の構内に設けられている3線の仕業検査線で、汚物の抜き取りはもちろん、トイレや客室内、また新幹線車両の“顔”であるボンネットの清掃などを行なっている。つまり、新幹線車両にとっての“トイレ”が車両基地の仕業検査線、というわけだ。
なお、車内清掃は車両基地だけでなく、列車がそのまま折り返す東京駅でも実施されている。ほんの数分間の折り返し時間であっという間に車内をピカピカに清掃する神ワザは、テレビ番組などでよく取りあげられており、見聞きしたことのある人も多いだろう。アレをやっているのが、TESSEIの従業員たちだ。ただし、汚物の抜き取り設備は駅にはなく、“車両基地限定”の作業だ。
前置きはこれくらいにして、実際に作業の様子を見させてもらおう。







