そして、それと同時にそんな奇行に及んでいる人が、客室では平然と座席に座っているのかも、などと考えたら、そこらへんのホラー映画よりもよっぽど怖い。
「トイレがどんな状況なのかは、入ってみないとわからないんですよね。でも、扉を開けて入ったらニオイとかで『ヘンだな』とは気がつきますよ。そういうときは携帯している無線機で連絡し、応援を呼びます。いくら時間をかけてもいいなら別ですが、私たちの仕事は時間が決まっているので、これはひとりではムリだなと思ったらすぐに連絡するようにしています」(TESSEI担当者)
運行中に車掌が車内点検で発見することもある。その場合は、トイレを使用停止にして事前に車両基地のサービスセンターにも連絡が入るという。
「あとは長い距離を走ってきた列車ほど、当たり前ですが汚れがひどくなってきます。2024年3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸しまして、ゴールデンウィークはなかなかでした。東京~敦賀間を往復してきて夜にここに戻ってきた車両になると、どうしても汚れがたまってきますから」(TESSEI担当者)
清掃や汚物の抜き取りを担うスタッフにとって、いちばん過酷なのは夏場だという。真夏になると、車庫の中は35~40℃くらいまで気温が上がる。新幹線車両は床下から車内の熱が排気されるので、汚物抜き取り作業はかなりの熱風を浴びながらの作業になるのだ。当然、熱中症のリスクも高まる。
車内の清掃作業でも、取材時にはトイレのニオイを感じることはなかった。換気設備が稼働していたからだ。仕業検査やボンネット清掃などを同時に行なう場合は、パンタグラフを下ろして架線からの給電を停止する。そうなると、車内の照明から空調、換気もすべてストップ。トイレの中にはじわりと嫌なニオイが漂ってくるのだとか。







