2025年11月、大規模マンション火災が発生
先日、2月13日、そんな香港中文大学の学生として知られていた関靖豊(マイルズ・クワン)さんが、「学校に学籍を抹消された」とSNSで呟いて、ネットは騒然となった。
マイルズさんの存在が市民に知られるようになったのは、昨年11月末に起きた大規模マンション火災のときだった。火災現場は中文大学の大学駅の隣、大埔駅そばで、マンション団地8棟のうち7棟が40時間以上燃え続けた。日本でも大きく報じられたので覚えておられるだろう。
火災は最終的に多数の死者を出し、またそれは香港中のあちこちにある普通の公営分譲マンションだっただけに、市民に与えた衝撃は大きかった。さらに、火が次々と衆人環視の中で隣の棟へと燃え移ったのは、外壁改修工事でかけられていた「火災防止網」に実は火災防止の機能がないどころか、延焼の最大の原因だったことも次第にわかってきた。また、工事で窓ガラスを保護するためと称して各戸の窓に発泡スチロールが貼りつけられていたことも火の回りを早めたと指摘されている。当然、そのせいで住民が窓の外の火災に気づくのが遅れ、逃げ遅れた人が多かったことが死傷者を増やしたとも言われている。
それだけではない。この工事は、10年あまり前に政府が香港中の一定年数を経た老朽ビルに対して改修工事を義務化したことを受けて行われていたが、政府が一律義務化を宣言したことでビジネスチャンスを見出した悪徳業者が暗躍することになったと、建築業界の関係者から告発が出ている。今回の現場となったマンションでも、業者がふっかけた高額な改修費用を住民たちが強制的に捻出させられたこと、また以前から業者と管理組合の癒着が疑われる経緯があったことも明らかになった。
さらに、政府のビル管理担当局職員が火災のわずか1カ月前にも工事の定期検査で現場を訪れていたが、その際に工事作業のために火災報知器が切られていたことなどがまったくチェックされていなかったと指摘されている。
……とにかく知れば知るほど、改修工事の舞台裏はずさんで、大惨事は起こるべくして起こったとしか言いようのない状況だった。絶望的なほど複雑な要因が絡まり合っていることだけは間違いなかった。







