マイルズさんたちは「4つの訴え」のビラを配り、ネット署名を募る
「あり得ない」「一体全体どうなってるんだ?!」と、市民の間で怒りと不満が渦巻いていたちょうどその時、火災現場近くで「4つの訴え」と書かれたビラを配り、ネット署名を募り始めたのがマイルズさんたちだった。オンライン署名を呼びかけるそのビラには、「被災者への支援を続け、定住先をきちんと確保すること」「独立調査委員会を設置し、徹底的に水面下の利益供与関係を調べ上げること」「工事の管理監督システムを再検討し、形だけのものに終わらせないこと」「全力で管理監督当局の過失を追及し、政府担当者の責任を問うこと」という4つの訴えが並んでいた。
彼とその仲間の出現はある意味、市民にとって衝撃的だった。
火事の直後、火災現場近くには多くの市民が生活物資を持って駆けつけ、中には自分の商店の商品を車で持ち込んで無償で配り歩くボランティアたちが大量に出現した。
それは文字通り「金がある者は金を、品を持つ者は品を、力がある者は力を」を体現する民間支援の動きで、不安な気持ちで事態を見守っていた人々の間に感動を巻き起こし、さらに多くの市民の参与が生まれた。また、火災後最初の週末には現場近くの公園に死者を悼もうと香港各所からやってきた数千人の市民たちが列をなし、数時間かけて犠牲者に花を手向け、冥福を祈る光景が広がった。その様子は、デモ収束後ずっと香港市民の心の底に封じられてきた熱い思いを見るようだった。
だが、マイルズさんたちの出現は、多くの人たちに不安をもたらしたのも事実だった。「呼びかけ」や「訴え」という言葉は、まさにあのデモを思い起こさせたからだ。
しかし、マイルズさんの「4つの訴え」はどこをどうとっても真っ当なものであり、多くの市民一人ひとりがネットやプライベートの場で口にしてきた基本的な訴求でもあった。マイルズさん自身も当時、メディアのインタビューにこう答えている。「もし政府が、とてもとても基本的で根本的なこの4つの訴えすらも、彼らに対する怒りや恨みをぼくらが煽ろうとしていると考えるならば、それは彼らがあまりにもセンシティブすぎるせいだ」。







