「知ったかぶり」が
命取りに
この編集長と犬猿の仲だったのが、警察や裏社会、政界にまで太いパイプを持つ記者上がりの北川デスク(仮名)で、2人は酒場でつかみ合いになったこともあると噂されるほどだった。
編集部では、裏社会が絡む記事は必ず北川デスクが目を通すことになっていたのだが、編集長はそれも気にくわなかったようで、あるとき彼を外して裏社会関係の記事を掲載してしまった。
案の定、関係者から強烈なクレームが入り、謝罪文の掲載を要求される事態に発展。編集部は騒然となり、頭を抱えた経営陣は、たまたま出張中だった北川デスクを急きょ呼び戻して彼にクレーム処理を一任した。
北川デスクは人脈をフル活用し、あらゆる方面から根回しをした上で、最後まで抵抗していた編集長を連れて関係者の拠点に出向き、直接頭を下げさせて謝罪文の掲載も回避できた。
政治のスキャンダルや裏社会を記事で扱う場合、どれほどの危険性があるかを見極めるのは容易なことではない。長年の記者経験が必要で、もっとも「知ったかぶり」をしてはいけない領域だ。
自分を見つめ直すための
チェックリスト
“人生の指標”となる言葉の数々を収録している本、『人生は期待ゼロがうまくいく』の中には「『品のない人』がやりがちな行動7選」という項目がある。
2.知ったかぶり
3.自分のミスや欠点を省みない
4.本質から目をそらし、論点をずらす
5.気分で周囲を振り回す
6.いつでも自分が被害者だと考えている
7.真面目がダサいと思っている
――『人生は期待ゼロがうまくいく』(p.197~198)
著者のキム・ダスル氏は、品格を身に着けたいのであれば、「品格のない『ケモノ』同然の人がやりがちな行動を避けるのが手っ取り早い」とアドバイスする。
いま思えば、問題の編集長は上記7つの特徴がいくつか当てはまる人だった。
人生経験が浅い子どもほど、「僕にもできるもん!」と強がりを言うが、社会人になっても品格がない人は、この精神で仕事をしているのかもしれない。
自分がそうならないためには、定期的に7つの項目が当てはまっていないかをチェックする必要がありそうだ。
(本記事は『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した書下ろしエッセイです)
大学卒業後、複数の出版社や不動産会社での社員を経てフリーライターとして独立。週刊誌、月刊誌、WEBメディアなどで記者、編集者を経験した。事件、芸能、スポーツ、サブカルチャーまで幅広く取材に携わり、のちに新聞やテレビでも大きな話題になったスクープをモノにしたこともある。





