無闇にアドバイスをするより
ただ「聴く」ほうが効果的

「一方的に話しても、記憶に残るコンテンツは全体の5%に過ぎない」

 この研究結果を米国の行動主義心理学センターであるナショナル・トレーニング・ラボラトリー(米国研修研究所)が発表してから50年もの年月が経った。

 しかしながら、いまだに多くの人が「話す」ことで人に何かを教えることができると信じている。
――“Use Stories to Change Employee Behavior”by Charles Jacob, May1, 2010, SHRM-DN

「聴く」と「聞く」とには違いがあります。「聴く」は目的を持ってきくことです。「聞く」は漠然と音を拾っているだけです。

「何を大切にしているのか」「どんな未来を目指しているのか」「望むものは何か」「何を変えたいと思っているのか」

 そうした目的を持って聴くわけです。こうして見ると、ふだんから自分と交わしている対話がどのようなものかが聴き方に影響しているのが分かります。興味・関心と言っていいかもしれません。

・今、自分は本当にほしいものに向かっているだろうか?
・何に時間を使っているか?
・対話の目的をどこにおいているか?
・自分との約束は守られているか?
・自分にとっていちばん最近、価値ある1日を送ったと思えたのは、どんな1日だったか?

 賛成・反対の立場を表明する必要もなければ、助言も要りません。話し手はただ最初から終わりまで聴いてもらいたいと思っています。そもそも5分以上口を挟まずに自分の話を聴いてもらった経験のある人は稀でしょう。

 興味・関心を持って自分の話を聴いてほしいと誰しもが願っています。相手の話を聴くときには、次に自分が何を言うかを考えるのをやめて、最初から終わりまで聴いてみようとしてみてください。

 話下手、聞き上手に助けられ
――古今亭志ん生
 双方が「本当に聞いてもらえた」と感じるとき、あらゆることの生産性は上がる
――エリック・J・マクナルティ