氷期のことを「氷河期」と呼ぶ方もいるかと思いますが、厳密な意味での氷河期とは「地球の表面のどこかに氷床や氷河が存在する時期」のことです。その中で特に寒く、極地の氷床や山地の氷河群が拡大する時期が「氷期」で、氷期に比べると暖かい時期が「間氷期」になります。ですから、現在の地球は氷河期(の中の間氷期)なのです。

 地球の長い歴史の中には、極地にも氷床が存在しない「無氷河期」もありました。たとえば恐竜がいた時代の一部がそうで、当時の気候は現在よりもずっと温暖だったのです。

 地球は過去300万年の間に、氷期と間氷期のサイクルを数十回くり返してきました。前回の氷期(最終氷期)は、現在よりも平均気温で5~8度ほど低かったとされています。これは、現在の東京と札幌の年平均気温の差くらいのイメージです。氷期というと「1年中雪と氷に閉ざされた世界」をイメージしがちですが、そんなことはないのです。

 また、氷期には降った雪が陸地に積もって氷となり、川から海へと水が流れ込まなくなるので、海面が下がり、陸地が広がります。前回の氷期には、海面が今より120メートルも低く、北海道はサハリン、そしてユーラシア大陸と地続きになっていたとされます。

専門家の間でも意見が割れる
次なる氷期到来のタイミング

 では、次の氷期はいつやって来るのでしょうか。この300万年ほどにおける間氷期は、まれに2~3万年続く場合もありましたが、多くは1万年程度の期間でした。

 だとすると、現在の間氷期(専門的には「MIS1」と呼ばれます)も終わりが近いように思えます。実際、1970年代までは、地球が寒冷化に向かっているとの分析が多かったこともあり、次の氷期の到来が近いという見方が有力でした。

 しかし現在、地球温暖化問題を扱う国際的な科学研究組織であるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、間氷期がまだしばらく続くとの見方を示しています。

 2007年の第4次評価報告書では「今後3万年近くは、自然要因での寒冷化は起きない」と書かれていました。したがって、当面は地球の寒冷化より温暖化への対策を行うべきだ、というのがIPCCの主張でした。