地球の場合、月からの重力(引力)を受けた際に、月に近い側と遠い側では重力の強さが異なるために、海水が変形(移動)します。これが潮の満ち引きの原因になるので、潮汐力という名がつきました。
潮汐力を受けると、月に近い側とその反対側の海水が盛り上がりますが、海水の移動に時間がかかるため、海水がもっとも盛り上がる場所と月の方向とにずれが生じます。このずれが、地球の自転にブレーキをかける働きをするので、地球の自転は少しずつ遅くなるのです。
地震や気候変動の影響で
1日の長さは日々変化している
ただし短期的に見ると、自転速度は一定の割合で遅くなっているわけではなく、むしろ若干速まることさえあります。自転速度の短期的な変動は、大気と地表面との摩擦による影響や、地球内部の外核とマントルとの摩擦、気候変動、磁場の変動などによって起こると考えられています。大地震の発生によっても変動するとされ、NASAの研究者が東日本大震災の影響で1日が100万分の1.8秒短くなったと発表したこともあります。
1970年代は、地球は原子時計を基準にした1日(8万6400秒)よりも、約3ミリ秒(1000分の3秒)長くかかって1回転していました。そのため、1年ほど経つと、原子時計の時刻との差が累計で1秒に達します。こうした場合には「うるう秒」を1秒挿入することで、時刻の調整を行います。1970年代は毎年のようにうるう秒が挿入されていました。
2000年以降は、地球の自転速度が1970年代よりも速くなり、地球は1日より約1ミリ秒長くかかって1回転しています。そのため、うるう秒は3年に一度くらいの割合で挿入されてきました。しかし、2017年1月1日を最後に、うるう秒は実施されていません。これは、コンピュータの普及によって、うるう秒の挿入が予期せぬシステムトラブルを引き起こす原因となっているためです。
そこで、2035年までに現行のうるう秒の制度を廃止することが国際機関によって決まっています。現行の制度では調整が必要になるずれの上限を0.9秒としていますが、この上限を100秒やそれ以上にすることで、100年間は調整しなくてもいいようにするといった意見が出ています。







