月は毎年3.8センチずつ
地球から離れていく
地球の自転速度を遅くしているのは月ですが、その影響で月は地球から少しずつ遠ざかっています。
フィギュアスケートで、選手がスピンをする際に、手を横に伸ばしている時は回転がゆっくりですが、手を縮めたり頭の上に挙げたりすると回転が速くなります。これと同じ原理(「角運動量の保存」といいます)で、地球(選手)の自転速度が速くなると月までの距離(手の伸ばし具合)が短くなり、逆に自転速度が遅くなると月は地球から遠ざかるのです。実際、最新の計測によると、月は毎年約3.8センチメートルずつ、地球から遠ざかっています。
月までの距離は、アポロ計画などで月面に設置された反射板にレーザー光線を地球から発射して、戻ってくるまでの時間を計測することで、正確に見積もることができます。
その結果、月が少しずつ地球から遠ざかっていることが確認できたのです。このことから、過去の月は地球にもっと近かったことが推測できます。
1億8000万年後には
1日が25時間になる?
現在、月の起源として「ジャイアント・インパクト(巨大衝突)説」が有力視されています。今から約45億年前、生まれてまもない原始地球に、火星サイズ(直径は地球の約半分、重さは約10分の1)の原始惑星が衝突して、その飛び散った岩石が集まって月ができたという説です。
国立天文台の小久保英一郎さんたちが以前行ったコンピュータシミュレーションによって、巨大衝突から約1カ月から1年で月の重さほどの衛星ができることがわかりました。できたばかりの月は、地球の直径の約2倍(約2万5000キロメートル)しか離れていなかったといいます。
また、地球の自転速度は衝突の影響で加速され、約6時間で1回転していたと推定されています。その後、地球の自転速度は少しずつ遅くなり、それにつれて月は地球から遠ざかっていきます。こうして現在、月は地球から平均で約38万キロメートル離れた場所を回っていて、地球は24時間で1回自転しているのです。







