顧客だけが長期休暇を取るのでは、不公平だ。物やサービスを提供する側にも、休む権利がある。売る側もゆとりを持って働き、休めるようにするには、顧客が、サービスの要求レベルを下げることが求められる。
日本の充実した無料サービスは
欧米ではあり得ない
日本人が外国に旅行すると気づくことだが、日本ではサービスは無料、ドイツなど欧米諸国では、サービスは有料だ。
たとえば日本にはサービスに対してチップを払う習慣はない。ドイツでは、タクシーに乗っても、理髪店に行っても、レストランで食事をしても、クリーニング屋に洗濯物を出しても、配管工に台所の排水パイプを修理してもらっても、観光バスの添乗員やツアー・コンダクターにも、原則としてチップを払う(原則として、と書いたのは、サービスがあまりにも酷く、客が不満な時には、チップを払う必要はないからだ)。
東京からドイツへ向けて10個の小包を発送した時には、夜8時に郵便局員が、滞在先に来てくれた。ドイツにはこのようなサービスはないが、もしあったなら、チップを渡す必要がある。だが日本にはチップの習慣がないので、郵便局員が夜8時に来てくれても、チップを渡す必要がない。
日本にお住まいの皆さんには当たり前に思えるかもしれないが、ドイツに長年住んでいる私は、これはすごいことだと思う。「ドイツと違って、日本では、サービスは無料なんだなあ」と痛感した。
逆に言うと、チップがないのにこれだけ質が高いサービスを提供してくれるということは、すごいことだ。
多少の不便さを我慢すれば
社会全体の幸福度が上がる
ただし、少子高齢化が進んでいる日本では将来、就業人口がどんどん減っていく。したがって消費者が今後も同じようなサービスを期待し続けることは、段々難しくなっていくと私は考えている。
働く人が減るのだから、これまで同様のサービスを期待することはできない。
そのために、日本の顧客もサービスレベルへの期待度を下げることを考えていかなければならない。これが社会全体に浸透するには長い時間がかかるので、そういうキャンペーンを早い時点から始める必要があると思う。







