働き方改革の重要な点は、サービスレベルの低下についても、社会全体のコンセンサス(合意)を作ることだ。消費者が想像力と思いやりの心を働かせて、「売る側も自由な時間が必要なんだ、家族と一緒に過ごす時間が必要なんだ」ということを理解して、サービスの期待度を下げていくべきだと思う。
もちろん、いきなりサービスレベルをドイツ並みの低い水準に下げると、客の側に非常にストレスがたまる。したがって、徐々にサービスレベルを下げていくことが大事だ。
現在我々が経験しているような、世界でも最高レベルのサービスは求めないで、みんなが休める社会にしてはどうだろうか。手始めに、ドイツと日本の中間くらいのサービスレベルにしてみたらどうだろうか。
丁寧なサービスよりも
低価格を望むドイツ人
なぜ日本のサービスレベルは、これほど高いのだろうか。まず日本社会の美徳の1つとして、他の人の感情を思いやるという態度がある。ドイツに住んでいて感じるのは、他の人の感情に対する思いやりが、日本に比べて少ないということだ。人間関係がドライなのである。これは、個人主義の表われだ。
日本の場合は、たとえばビジネスの現場であっても、やはりお客様の立場になって考える、他人の感情を思いやるという態度が非常に感じられる。それが「おもてなし」であり、よいサービスにつながっている。
日本はこのサービスの競争が非常に激しくて、サービスを良くしないとお客さんが来なくなってしまう恐れがある。これに対しドイツでは、そもそも社会のあらゆるところでサービスレベルが低いので、客の側も最初から良いサービスを期待していない。
では、ドイツの客が期待しているのは何か。それは安い価格だ。
ドイツではいかにコストを下げるかをまず考える。「値段が安くなるのなら、サービスは悪くてもまあしょうがないかな」というわけだ。多少は嫌々という面があったとしても、みんながそれを受け入れている。







