裁判の中でも犯人は何にも言わなかった。それを私はずーっと、ずーっと納得できなかった。刑務所にいる犯人にいろいろなことを言いたい、聞きたい、どうして?どうして?と……」

「心情等伝達結果通知書」に
綴られた加害者の思い

 そんな思いを、刑務官が作成した「心情等録取書」に込めた。そして、2024年4月に加害者の言葉を聞き取った「心情等伝達結果通知書」が届く。そこには次のように書かれていた。

〔被害者のお母さんの生活状況が苦しいことは分かっていたが、自分の想像していた以上に苦しんでいたことを聞いてショックだった。事件のことは忘れていないし、12年間反省してきたつもりだが、自分の反省が足りなかった。2人に対して何もやっていない、ただ考えているだけで伝わっていないことに気付いた〕

〔私を死刑にしてほしかったと望む気持ちは、当然だと思っている〕

〔自分の家族の苦しみは考えるけど、被害者のこと、被害者のお母さんのことを考えなければいけなかった。自分の認識が甘かった。何もできなくて、申し訳ない。これをきっかけに被害者の方のことだけを考えていきたい〕

〔毎晩寝るとき、事件のことを思い出す。自分の親と手紙のやりとりをしているとき、面会で母親が憔悴している姿を見たときにも事件を思い出すが、被害者の家族まで思いが至っていなかった〕

〔公判記録は手元にあり、一人部屋(単独室)のときは、時間があるときに読み返していた。今は雑居(共同室)だから、書類を読むチャンスがないけど、改めて反省の意味も込めてもう一度読み返したいと思う〕

〔これまで被害者の方に反省を形で見せる方法が分からなかったので、自分の中で反省することしかできなかった〕

〔申出人に動いてもらって(この制度を利用させてしまい)、自分の被害弁償を何もしていないことに気がついた。被害弁償を本気でやりたい、誠意を見せたい〕

〔慰謝の措置については、(被害者の)お母さんに謝罪の手紙を書きたい、手紙で自分の気持ちを伝えたい〕