中隊長代理を務めた小隊長は、私が掲げていた「共鳴×必遂」というスローガンを掲げて挑んでくれました。隊員たちはその旗印のもとで、不安をのみ込み、挑戦そのものを楽しむ姿を見せてくれたのです。それは、日頃から「自分がやるかもしれない」という意識が根づいていた証です。
責任のある立場が
リーダーを作っていく
余談ですが、この訓練で中隊が担当したのは「外部からの上陸を遅らせる水際障害の構成」でした。
通常、このような障害物は識別のためにコードネームをつけます。地雷原にも例外はなく、たとえば「ジョーカー」「キング」といった強そうな名前が使われます。よく見ると、地雷原は「みつよ」と名づけられていました。私の名前です。
ちなみに「地雷原」という言葉は刺激が強いかもしれないのですが、これはあくまで訓練上の呼び方です。使うのは、実際の地雷ではなく、安全に作業できる訓練用の資材です。目的は、外部からの動きを封じ込める「足止めエリア」の設計と作業の手順を正しく身につけることにあります。
誰の仕業かわかりませんが、愛情のこもった「いじり」だったのでしょう。中隊長として、これ以上の勲章はありません。
私が中隊長を離任した際も、「これをもって中隊の指揮を解く」と宣言し、次の中隊長が「本中隊の指揮を執る」と引き継ぎました。
指揮の継承は、制度であると同時に、心を揺さぶられる瞬間でもあります。最後の敬礼を受けた瞬間、涙をこらえる隊員を見て震えました。
「指揮とは、命令権ではなく、信頼が積み重なった証だ」と全身で感じました。
この仕組みは、どんな職場にも活かせます。
・リーダーが不在時の「代行責任者」を明確にする
・「決裁権者」をあらかじめ共有する
・リスク発生時の対応を「誰が・何を」で定義する
人は「誰かがやるだろう」ではなく、任された瞬間に「当事者」になります。







