1.年功序列による競争力の低下
2.組織を蝕む「働かないおじさん」
3.外国人労働者への過剰依存

 まず、1から説明しよう。ご存じのように日本はかつてお家芸とされた「白物家電」「液晶テレビ」、さらには「半導体」などで中国や韓国に「惨敗」した。

 こういう話をすると決まって、特定のジャンルを挙げて「この分野の技術力ではまだまだ日本が世界一なのだ!」と食い下がる人たちがいるが、市場シェアや売り上げ​​、就業者数などを見ればどうひいき目に見ても負けである。

 では、なぜ負けたかというと本質的なところでは「給料が安い」ということに尽きる。

 中国や韓国は、日本や世界から優秀な技術者をカネにものを言わせて引っ張ってきて即戦力として使い倒す。そこで期待外れならばサクッとクビを切って、次の技術者に好条件でオファーを出す、ということを繰り返して技術を磨いてきた。

 それに対して、日本ではどんなに優秀な若者であっても「初任給はみんな同じで20万円からね」と雑巾掛けから始めさせて、年功序列社会のなかで長い時間をかけ、チームで技術力を高めていくという方針をとった。つまり、人に対するカネの投じ方があまりに牧歌的だったのだ。

 その残酷なまでの「格差」がよくわかるのが、今回の報道である。

 ソニーグループの初任給がついに42万円になったと話題だが、実は中国のファーウェイが日本で採用した新卒の初任給が40万円になったのは2017年。当時、これは「破格」と話題になったが実はこれ、ファーウェイのグローバル基準ではごく平均的な給与なのだ。

 つまり、厳しいことを言うと、日本企業が技術者に投じるカネは、中国企業に9年遅れをとっているということだ。

 これが大袈裟ではないことは、中国の巨大テック企業「テンセント」の平均年収が日本円で約2000万円超えとなっている事実からも明らかだ(ビズリーチ 2024年3月11日 https://www.bizreach.jp/column/abroad-24/)。日本では「高給取り」とされるソニーグループでも、24年3月期の有価証券報告書によれば平均年間給与は1113万円である。

 では、ゲームやテクノロジーという国際競争力が求められる分野で、この「人に投じるカネ」の圧倒的な差をどう埋めていくのか。