「人手不足」に悩む会社にとって、40代だろうが50代だろうが来てくれるだけでありがたい。しかも、大企業でそれなりに経験を積んだ社会人経験のある人ならば、異国からやってきて日本語も勉強中の外国人よりも仕事を任せやすい。
「働かないおじさん」が
働くと賃上げが進む
「働かないおじさん」にとっても、先ほどから説明している「初任給42万円ショック」によって長年仕えてきた組織から戦力外通知をされたので、必要とされればモチベーションも上がるはずだ。
最大のネックは前職からガクンと収入が下がるということだが、これは「外国人労働者の受け入れ制限」という政治的判断で解決する。
なぜ日本の賃金がここまで低いのかというと、労働生産性の低さうんぬん以前に安易に外国人労働者に頼りすぎたということがある。
本来、日本は深刻な人手不足なのだから、建設現場、コンビニ、食品工場、介護など若者が敬遠するような仕事も賃上げで、人材を獲得しなくてはいけない。
厳しいようだが、それができない経営者は市場から退場する。そして、残された事業を吸収・合併した企業が規模を拡大したり、新たな事業者が参入したりという「産業の新陳代謝」が活性化されて、経済というものは成長していく。
しかし、日本は先ほども言ったように政権与党が「中小企業経営者が大票田」ということもあって、人手不足でも賃上げをしなくても乗り切れるウルトラCが導入された。もうおわかりだろう、それが安倍政権から推進している「外国人労働者の受け入れ拡大」である。
「技能実習生」などの名目で安価に働いてもらえる外国人労働者を「輸入」すれば、人手不足業界は賃上げをする必要がなく事業継続できてしまう。
中小企業経営者はハッピー、彼らから選挙支援を受ける自民党もハッピー、安くてうまいコンビニのスイーツなどを楽しめる消費者もハッピーという「三方よし」の施策に見える。
だが、日本経済的には最悪の展開で、本来であれば退場すべき企業が延命したことで産業の新陳代謝が損なわれ、低賃金がビタッと固定化されてしまった。
これが「安いニッポン」、いや「貧しいニッポン」をつくってきた要因のひとつである。
「初任給42万円」と聞くと、これまでの常識が壊れてしまうように心配するサラリーマンも多いだろう。しかし、257万人もの外国人労働者に人手不足問題を押し付けながら、年功序列社会のなかで「働かないおじさん」が415万人もいることからもわかるように、日本の産業構造はとっくの昔に壊れてしまっている。現状を変えていくには、このような「劇薬」しかないのではないか。








