円安でカフェのコーヒー価格が2倍に?「今より仕入れ値が上がると…」愕然のシミュレーション写真はイメージです Photo:PIXTA

コーヒー豆を買う時に値段や等級を参考にして選ぶ人は多いが、それらは必ずしも味や品質と比例しない。コーヒー業界の独特な値づけの仕組みと、本当に美味しいコーヒーの見つけ方を、世界一のバリスタが教える。※本稿は、第15代ワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎英典『教養としてのコーヒー』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

高価で等級の高いコーヒーが
美味しいとは限らない

 コーヒー豆の価格は先物取引所で決まります。アラビカ種はニューヨーク取引所、ロブスタはロンドン取引所で取引が行われています。

 先物取引は、期日と価格をあらかじめ約束する取引です。先物取引でないと、気候の影響を大きく受ける自然資源は価格が変動しすぎて不安定になります。需要と供給のバランスによって、あらかじめ価格を決めて取引しましょう、ということです。

 これが基本的な考え方ですが、投資対象にもなります。コーヒー豆自体が欲しいわけではないけれども、将来価格が上がるだろうと予測して買う人もいるのです。

 1975年のブラジルで霜害があったときに、コーヒー豆の価格が高騰したのは「コーヒーの供給が減って需要が多くなり、価格が上がるはずだ→いまのうちに買って儲けよう」と思った人たちが多くいたのが大きな要因です。株式市場と同じロジックですね。

 この時は価格が5倍になりましたが、それだけ味は美味しくなったのでしょうか。答えはもちろん、NOです。コーヒー豆自体の出来や味で価格が決まるわけではありません。あくまで価格は、需給バランスによって決まっています。