「ここまではOK?」の確認が、結果的に一番の時短になる

 では、「説明がうまい人」は同じ場面でどう振る舞うでしょうか。彼らは本題に入る前の最初の30秒で、必ず「前提の確認」を行います。

○:説明がうまいリーダー
「皆さん、集まってくれてありがとうございます。まず、先週の会議の振り返りから始めさせてください。
A案とB案の二つの方向性が出ましたが、その後、別途検討したところ、コスト面と納期を考慮するとB案が現実的だという結論に至りました。ここまでの認識は、皆さんよろしいでしょうか?」

 この一言があるだけで、場の空気は一変します。

 メンバーは「なるほど、そういう経緯でB案になったのか」と納得し、リーダーと同じ「現在地」に立つことができます。全員が同じ地図を持った状態で初めて、「では、具体的なタスクの話に移りましょう」と本題に進むことができるのです。

「いちいち確認するのは時間の無駄だ」と思うかもしれません。しかし、この数十秒の手間を惜しんで、後から何時間もの手戻りや再説明が発生することこそ、最大の「無駄」ではないでしょうか。

誰でもできる「前提共有」3つのコツ

 ここで、この前提共有をスムーズに行うための、誰でも使える3つのコツを簡潔に紹介します。

1)「そもそも論」で目的を再確認する
議論が迷走したときこそ、「そもそも、我々の目的は何でしたっけ?」と立ち返ります。「売上額向上ではなく、顧客満足度が最優先でしたよね」と原点に戻ることで、ズレた軌道を修正できます。

2)「前回のおさらい」から始める
「前回の宿題となっていた○○の件ですが」と一言添えるだけで、相手の記憶を呼び覚まし、スムーズに本題に入れます。相手が覚えていることを期待してはいけません。

3)相手の知識レベルを「質問」で測る
専門的な話をする前に、「○○という言葉はご存じですか?」と探りを入れます。相手の知識レベル(現在地)を知ることで、そこから目的地までの最適な説明ルートを選ぶことができるのです。