実際に、数年ごとに役割をスイッチしながらキャリアを形成している事例は、国内でも少しずつ増えています(図2-16)。ある方は、マネージャーとして組織を整えつつも、その後に再び技術の第一線に復帰して新規事業開発を行い、それが一段落したらまたマネージャーに戻る、という流れを繰り返していました。

 こうしたキャリアパスは、柔軟な組織や経営陣の理解がある企業でこそ成立しやすいという側面もありますが、もし環境が許すのであれば、自分の興味やライフステージに合わせて役割を変えながら成長していく道も十分に選択肢となり得ます。

「スペシャリストかマネージャーか」という選択だけではありません。プロダクト責任者や事業責任者として、ビジネスサイドへ軸足を移すケースもあります。技術知識を基盤に、経営や企画、マーケティングなどへ広げる道も広く開かれているのです(図2-17)。

図2-16 振り子のようなキャリアを歩んだ事例、図2-17 ITエンジニアの枠組みを超えた事例同書より転載 拡大画像表示

年収1200万円を超える人材は
代えが利かない「一点物」

 年収1200万円を超えるITエンジニアのキャリアには、定型化されたルートや量産可能なモデルは存在しないように見えます。唯一無二の実績やスキルを積み上げ、「代えが利かない存在」になっているからこそ、その報酬が成り立っているのでしょう。