このクラスになると、模範となるロールモデルを探すより、自分自身で道を切り拓く必要が出てきます。いわば「あなたの名前そのものが職種になる」ような、独自の立ち位置を確立することが鍵です。

 年収1200万円を超えると、報酬の決まり方はさらに個別性が高まります。提示される金額の差は、単純なスキルレベルというよりは、その時々の企業の課題と、あなたが持つ唯一無二の実績や社会資本(組織理解、信頼、人脈)がどれほど合致するかによって生まれます。まさに「一点物」の価値が評価される領域です。

『ITエンジニアの転職学』書影ITエンジニアの転職学』(赤川 朗、講談社)

 そのうえで重要になるのが、信頼を基盤に、複雑な状況をまとめあげる高度な合意形成能力です。たとえば、経営会議の場で、複数の役員が異なる視点で語る内容を理解し、技術的な観点とビジネス的な観点の双方から論点を整理し、納得できる着地点を提示できるような能力です。これは、単なる技術力やマネジメント力を超えた、知性と人間性を総動員したスキルと言えるでしょう。

 外資系企業を例に挙げると、1000万円はむしろスタートラインという見方もあり、1500万・2000万円とさらに上を目指す方や、起業・法人化によって労働者から資本家側に回る方もいます。インタビューした中には、正規雇用での年収が1億円を超える方もいました。

 そうした領域に足を踏み入れれば、出会う人もコミュニティも一変し、その変化自体を楽しんでいるという声も聞きます。上を見れば切りがありませんが、手が届くと思えるなら、ぜひ挑戦してみてください!