
外資系企業は、スキル重視で人材を採用するというイメージがあるが、実はそうではない。世界を支配するGAFAMですらスキルよりも人柄を重視しているのだという。では、組織において本当に必要とされるのは、どんな人柄なのだろうか。そのヒントは、まともに仕事をせずに会社に居座る「働かないおじさん」の振る舞いに隠されている。※本稿は、侍留啓介『働かないおじさんは資本主義を生き延びる術を知っている』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
評価が低くても居座る
居直りのマインドセット
「働かないおじさん」として生き残るには、どう身を処していけばいいのか。彼らには彼らなりに持つべきマインドセットというものがあると私は考えている。「俺は評価が低いし、ことさらに頑張ることもできないが、役に立つこともあるはずだから、この会社に堂々と居座り続けてやる」という居直りのマインドセットである。
そもそも、頑張れるかどうかというのは、持って生まれた性格や運に左右される。また、これまでの日本では、「おまえだって頑張ればできるんだから頑張れ」といった根性論が幅を利かせていたが、現実には、頑張ったところでどうにもならないことも少なくない。
昨今は、企業活動においてもメンタルヘルスの保全が大きな課題となっており、うつ病を発症して休職してしまうような従業員が後を絶たない。彼らがなぜ心身を病んでしまうのかというと、本質的に「頑張れない人間」であるにもかかわらず、周囲から「頑張れ、頑張れ」と焚きつけられることが重圧になっているケースが多いからである。