令和のショートドラマとして若い層に人気なのは日テレの『毎日はにかむ僕たちは。』で、これは2025年12月の時点で総再生数が26億回超えという。

 一方、『変態植物倶楽部』はショートドラマでありつつ、深夜枠にありがちなニッチなテーマでいかにも物好きな大人向けである。今回はその魅力について分析してみたい。

『サンクチュアリ』の一ノ瀬ワタルが
植物に魅せられ、植物に毎日話しかける

『変態植物倶楽部』は、植物に魅せられた男、副島が主人公。副島は宅配デリバリーで生計を立てつつ、1Kの自宅でおびただしい数の植物を育て、愛でている。毎朝話しかけ、「行ってきます」と言って部屋を出る。

 作品内で副島を演じるのは一ノ瀬ワタルだ。一ノ瀬はプロ格闘家だった経歴を持つ俳優で、Netflix配信ドラマ『サンクチュアリー聖域ー』(2023年)で主人公の力士を演じて大きな話題となった。

 178センチのコワモテが、ちんまりとした植物に話しかけ、植物の状態に一喜一憂し、ときには植物から世話がなってないと怒られる。その様子がなんとも言えず独特な趣を醸し出す。このギャップが作品としての引きであり、このキャスティングだから成立しているドラマであると言えよう。

 植物の声を担当するのは声優の悠木碧。『魔法少女まどか⭐︎マギカ』の鹿目まどか役、『薬屋のひとりごと』の猫猫役など、数々の人気作品で主役を射止めてきた。当然、悠木が声をあてている点に注目しているファンも多い。

 ドラマの中では、副島が自宅で植物と対話する「内側」の世界と、宅配デリバリーをしたり、植物を買いに出かけたりする「外側」の世界の両方が描かれる。

 この「外側」の世界で登場するのが、実際の植物店である。1話では恵比寿にある食虫植物専門店、2話では台東区にあるティランジア専門店(※)、3話では千葉県の「多肉植物とサボテンの聖地」と呼ばれる植物店が登場する。

(※)ティランジア……パイナップル科の多年生植物で土を必要としないことから「エアープランツ」とも呼ばれる。