だから、金融リテラシーを育てたいなら、とにかく親の価値観のアップデートが急務だと思うのです。

「スマホは不安」ではなく、「持たせないほうがナンセンス」。

「AIは危ない」ではなく、「使えば使うほど武器になる」。

 親子そろって、そんな視点で未来に備えていく必要があります。

「そろばん」を習うよりも
大切になってくること

 よく「子どもにそろばんを習わせようと思っているけど、どう思いますか?」と聞かれることがあります。

 私が大学では数学を専門に学び、その後トレーダーをしていたことからそういう質問が投げられるのかもしれませんが、私の答えはいつも同じ。

「AIに置き換えることができるスキルを、小さい子どもにこれから習わせる意味はあるのでしょうか?」

 中学受験も、そのうち計算機持ち込みがOKになると私は考えています。実際、私が中学生のときいたカナダの学校では、すでに試験で微分積分の解が出せるような計算機が使われていました。

 つまり、計算が早いとか、暗記が得意といった“置き換えられるスキル”の価値は、すでに下がり始めている。それよりも、式を自分で立てる力や、自分なりの視点で物事を考える力こそが、これからの時代に問われていくのです。

 今、人間が苦労して身につけた様々なスキルは、AIがより高いレベルでこなしていくようになりますし、すでになっています。

 だからこそ、「AIに触れさせないようにしよう」「AIに負けないようにしよう」ではなく、「いかにうまくAIを使っていくか」を子どもたちに教えることこそが必要だと、私は思うのです。

 だからといって、特別なことをする必要はまったくありません。

 まずは、AIを日常のツールとして取り入れて、毎日のように使いながら「仲良くなる」こと。それだけで十分です。「検索」するだけじゃなくて、「相談」できるのが今のAIのすごいところ。たとえばこんなふうに――。

「ドラゴンと小学生が冒険する物語を一緒に考えて」

「空を飛んでいるうさぎの絵を描いてみて」

「地球の真ん中って、どうなってるの?」

「今から言うことを小学生っぽい英語に訳して」