Aさんは「介護の苦労や役立つ情報を社内で共有したい」という思いから、数年前に「介護コミュニティ」に加わり、今も積極的に参加しています。

――コミュニティ以外で介護に直面する社員の相談窓口はありますか。

木名瀬 当社では、2023年から「くらしと介護サポート」といったご契約者向けサービスを提供しています。これはグループ会社が提供する無料電話相談サービスで、介護にまつわる悩みや困りごとに対して、専門性を備えたコンシェルジュが悩みに対して解決をサポートするものです。ご契約者向けのサービスですが、社員も利用者として利用できる形にしています。ウェブサイトからチャット相談も可能です。

上司との1on1を活用して
「介護や育児の悩み」も相談できる

「介護コミュニティ」「管理職研修」…徹底的な実態調査で生まれた“社員に寄り添う”介護施策とは【アフラック】人材戦略第一部の川中氏。

川中 育児・介護休業法の改正内容の一つに「介護離職防止のための個別周知・意向確認」がありました。当社では、四半期に1回、上司と1対1で対話を行う「クォータリー・1on1」を行っています。

 業務の進捗状況や今後のキャリアのことなど、さまざまなテーマで対話をすることができる場なのですが、その場を活用してもらうため、事前に書き込む「1on1シート」に、介護や育児の状況についても記載できる欄を設けました。

 相談や申し出を受けた上司も、社員とどのように対話すればよいか悩むこともあると考え、当社の両立支援制度や社員との向き合い方を記載した「上司向け」の案内も作成して、関係者に配布しました。

 社員の意向を聞いた上で、仕事と介護を両立できる環境をどのように整えていくかを探っていく。そのような「寄り添う姿勢」が大事であるという心構えを伝えています。

木名瀬 これまで実施してきた意識調査に加えて、23年には介護に対する実態を詳細に把握するために「介護両立実態調査」を行いました。調査の結果、「介護をしていない社員」より「介護中の社員」の方が「介護に関連することを上司に相談する」と回答した率が低いという結果が出ました。

 さらに、介護中の社員の4割が「職場に迷惑がかかっていることがつらい」と回答した設問もあり、制度や支援策を用意するだけでなく、利用する上での心理的負担感を軽減するために、さらに職場環境を整えていく必要があると考えました。