木名瀬 さらに、「32ページのハンドブックだと読む時間がない」という社員のために、仕事と介護の両立に関する社内、社外の情報を1画面に集約させた「フローチャート」もポータルサイトで公開しています(下図)。

「介護コミュニティ」「管理職研修」…徹底的な実態調査で生まれた“社員に寄り添う”介護施策とは【アフラック】資料提供/アフラック生命保険
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当事者同士で情報を共有し助言し合う
社内の「介護コミュニティ」

――会社発信の情報提供だけでなく、介護をしている社員たちがコミュニケーションを取る場があるのはいいですね。

木名瀬 はい。セミナーなどでの単発の情報交換だけでなく、2019年には育児や多様な性の当事者による社内コミュニティ発足と同時に「介護コミュニティ」を立ち上げています。このコミュニティの立ち上げが、「知識提供」から「当事者支援」へとフェーズを一段階進める転換点となりました。

 介護コミュニティは2カ月に1回の定例会(対面+オンライン)を開催しており、20人ほどのメンバーで構成されています。メンバー同士は社内チャットツールでいつでも相談ができます。クローズドな環境で、心理的な安全性が確保されるように配慮をしています。

 募集は社内掲示版やセミナーで定期的に行い、希望者が事務局に連絡する形をとっています。親の急な入院などをきっかけに介護に直面したタイミングはもちろん、介護に関する不安や悩みを共有したい社員の参加も多くなっています。

――介護はプライベートなことでもあります。会社の中にコミュニティがあることの利点はどのようなところにあるのでしょうか。

木名瀬 会社の仕組みや業務内容など職場環境を共有しているからこそ、有効なヒントが得られるという面があると思います。

 悩んでいたり戸惑ったりしている社員が、介護を経験した社員からの助言で落ち着きを取り戻す様子を何度も見ています。先日の定例会では、「前回のアドバイスをもとにケアマネジャーと話したら状況が改善した」という報告もありました。参加者同士が伴走しながら両立の道を歩むことができるコミュニティが形成されていると実感しています。

 メンバーの一人であり、営業支社で業務を行っているAさんは、5年ほど前にお父さまが要介護認定を受けて以来、在宅介護者のお母さまをサポートする形で介護に携わってきました。昨年お父さまが入院したのを機に3カ月の「介護休職(介護休業)」を取得し、介護施設探しや入所準備、お母さまのケアに専念し、体制を整えてから仕事に復帰。現在では「ストック介護休暇」も活用しつつ、両立を続けています。