ささやかな反抗の印?

 Z世代は、極端にクリーンなライフスタイルを推奨するアルゴリズムの下で成長してきた。ところが最近になって、前世代が好んだ「悪癖」に触れ始めているようだ。

 米疾病対策センター(CDC)が24年に公表したデータによれば、22年時点でアメリカの18~24歳のおよそ20人に1人が紙巻きたばこを使用していた。ただし25~44歳の層では、その割合が3倍近くに上っている。

 Z世代が新たに喫煙を始めているという確かなデータはない。だがSNSを見る限り、彼らはたばこを吸う姿が醸し出す雰囲気を好み、それをSNS上の「友人たち」と共有しているようだ。

 たばこを吸うセレブの写真をアップするインスタグラムのアカウント「シグフルエンサーズ」を運営し、9万3000人以上のフォロワーを持つジャレッド・オビアットは、喫煙が若者に再び注目されている理由についてある種の健全なニヒリズムだと述べる。アメリカンドリームがこれまでになく手の届かないものになっているという感覚に行き着いているのだ。

「進学し、家を買い、家庭を築くという伝統的な人生設計が、多くの人にとって現実的ではなくなっている。AI(人工知能)の時代を迎えて実体感を失っている今の世界で、たばこは確かな手触りを与えてくれる。ちょっとした反抗のアイテムとして、たばこを手にするのも悪くないという感じなのだろう」

 だとしたら、おしゃれで健康的な抹茶ラテより、たばこ一箱のほうが魅力を放つようになったとしても、驚くことではない。