私を通じて依頼を集めれば、10人分の仕事はすぐに集まりそうです(私に限らず大学教員の多くは事務仕事が苦手です)。確定申告の時期限定とはいえ、20万円の臨時収入は主婦にとって無視できない金額になります。
これは大学教員を対象とした確定申告の支援業務をケースとして考えていますが、スポットかつ短時間で事務仕事を代行してくれる人がいれば利用したいと考えている個人事業主、あるいは不動産などの副収入がある給与所得者の方は意外と多いのではないかと思います。
よくよく考えると、この手の仕事を専門とする個人事業者があまり見当たらないのが、不思議なくらいです。ニーズはあるはずなのに、なぜかこの手の「軽い事務仕事」を引き受ける事業者がいないという問題について、少し掘り下げて考えてみましょう。
「労働やサービスの代金」の
根拠はあやふやなモノ
そもそも「労働やサービスの代金」の根拠は、掘り下げるほどにあやふやなモノです。
例えば飲食店で開業する際には、原材料費に光熱費、店舗の家賃に人件費を積み上げ原価を確定して、そこから生活費や借入金の返済、日々の仕入れに必要な金額を勘案して、事業として持続可能な利益が得られるように各メニューの販売価格を決めていくことが可能かもしれません。このように製品・サービス単位で原価を設定できる事業内容であれば「正当な価格」と胸を張って請求できるかもしれません。
しかし、筋トレのパーソナルトレーニング代金となると、この根拠は怪しくなってきます。例えば90分9000円という金額は専門的な知識を身につけていたり、大会で入賞しているという実績があれば「胸を張って請求できるかもしれない金額」であり、実のところ根拠はありません。
実際にお客さまから90分9000円に設定した理由を問われると、「生活を成り立たせるために必要な金額」という本音を隠して、「業界の相場価格です」と言うことしかできないでしょう。
ところが、特定の製品やサービスに対して、業界内で相場価格が存在するなら良い方です。私の妹のように、かなり多くの人が格闘しているであろう「伝票整理」をはじめとした事務処理仕事を個人で引き受けていこうとすると、対価をいくらとして請求すればよいのか、相場がいくらになるのかわかりません。







