とりあえず、実際に「ありふれた事務処理スキル」に付けられた価格を確認してみましょう。近年流行している「スキマバイト系」の募集サイトを筆者が確認したところ、在宅経理アルバイトの時給は1500円前後となっていました。これは、2025年時点の東京都の最低賃金(1226円)に毛が生えた程度の金額です。この金額で仕事を受けていっても、大学生のコンビニバイトよりは高いかな、という程度の月収しか得られないと思います。
それに対して、筆者が妹に領収書整理で支払ったアルバイト代を、彼女の実作業時間(1日3時間程度)を基準に時給換算すると、約3000円と倍ほどになりました。先ほど指摘しているように、1件2万円であれば確定申告前の領収書の整理を依頼したい大学教員は普通に出てくると思います。そう考えると、自分が持っている「誰もが持っているありふれたスキル」を武器にして「スキマバイト」などで仕事を獲得しようとした場合、買い叩かれていると言えるのです。
自分で価格付けをしない
スキルは買い叩かれてしまう
このように、会社で働いて身につけることができる「ありふれたスキル」は、通常のルートで仕事を得ようとすると買い叩かれてしまうのが現実です。
筆者にとっては1時間あたり3000円を支払う価値のある妹の事務処理スキルが、1500円ほどしか稼げないのはなぜかと考えていくと、「ありふれたスキル」で稼ぐことはできないと決めつけ、他人(=スキマバイトサイトを運営している企業)に「営業」と「価格付け」を委ねてしまっているからではないかと考えられます。
筆者の妹は会計や情報処理分野の有資格者で経験も積んでいる専門技能者であるにもかかわらず、普通に働こうとすると最低賃金付近で買い叩かれているのが現実です。実際問題、かなりの難関資格である日商簿記1級をもっていても、税理士や公認会計士の資格を有するまでは、就職活動ですら決定打にはなりえません。
だからこそ、「実は価値のあるありふれたスキル」を持つ人々は既存企業のサービスに登録し、「営業(仕事を取ってくる)」の手間を代行してもらい、生活を成り立たせる上で「確実な報酬の支払い」が計算できる方法を選んでいるのだと思います。







