私自身もありがたいことに「地頭が良い」と言われることがあります。とはいえ、進学校に通っていたわけでも、特別な訓練を受けたわけでもありません。

 振り返ると、地頭を鍛えてくれたのは、教育や訓練ではなく「性格」そのものだったように思います。「自分の性格に由来する無意識の思考や行動の積み重ねが、結果的に思考を促し、地頭を鍛えているのではないか」という仮説です。

 そこで、自分の性格や日頃の行動を振り返り、地頭の良さにつながっていそうな要素を整理してみました。

(1)何かと理由が気になる

 私は人の話を聞いていても、「なぜそう思うの?」「なんでそうしたの?」と理由が気になって、つい確認してしまうタイプです。ただ「ふーん」と聞き流す人よりも、常に「Why?」が浮かんでくる人のほうが、自ずと思考回数が増え、それによって地頭が鍛えられます。

(2)聞いた話を人に話したい

 人から聞いた話を誰かに伝えたくなるタイプの人も、地頭が鍛えられます。なぜなら、人に説明するには、話の主旨を理解し、構造化して、自分の言葉で簡潔に伝える必要があるからです。

 さらには、人に話す際に「質問されそうなこと」を事前に考えるので、自然と必要な情報を押さえる力もついていきます。

 一方、誰かに話す前提がない人は、相手の話を聞き流したり、不明点をスルーしてしまったりしがちです。つまり、アウトプットを前提にインプットする習慣があるかどうかが思考力の差を生むのです。

(3)責任感が強い

 責任感が強い人は、間違ったことを言わないよう注意しています。私自身、きちんと理解できていないことは調べ、意味のわからない言葉はそのまま使わないようにしています。

 たとえば「ベンチャー」と「スタートアップ」の違い、「企業」と「会社」の違いなども単語の定義や時代による変化を調べて、自分のなかで整理します。この「正しく伝えたい」という責任感が、結果として知識の精度を高め、言葉の解像度を上げることにつながります。

 このタイプの人は言葉の解像度が高く、いろいろな語彙や表現の幅を持つため、より深く思考することができます。