静かだった『あんぱん』、大活躍の『おむすび』
半年続く長編連続ドラマ、朝ドラの最終回直前は、朝日がのぼる直前のようなわくわく感を伴う。
近年の朝ドラの最終回直前回はどのようなものだったか。過去のレビューをもとに振り返ろう。
直近は『あんぱん』(2025年度前期)。なんと、『あんぱん』のラス前も静かだった。ダイヤモンド・オンラインのレビューのタイトルはこれだ。
「明日が最終回とは思えない…駆け足展開と抑制された“小津映画風”の空気感、これでいいの?【あんぱん第129回】」
やなせたかしの妻をモデルにしたのぶ(今田美桜)が主人公の『あんぱん』。やなせがモデルの嵩(北村匠海)を叱咤(しった)激励しながら共に生きてきたのぶ。夫は人気作家になるが、彼女は病におかされてしまう。
1988年10月。2年かけてこだわって作ったアニメ『それいけ!アンパンマン』が放送開始された。のぶと嵩は、それを一緒に見る。このドラマも『ばけばけ』同様、偉大なる作家の妻が主人公なので、作家の名作の創作過程がメインではないにもかかわらず、多くの視聴者は『アンパンマン』のことばかりに興味をもっていた。
みんなの知ってる『アンパンマン』がラス前でようやくアニメ化。そこに至る紆余(うよ)曲折はさくっと描かれ、できたものを見る夫婦の関わりがしっとり描かれた。ラス前は病気になったのぶが最終回では亡くなってしまうのか……という心配を残して最終回に。
主人公が大活躍するラス前もある。ギャルで栄養士の結(橋本環奈)が主人公のオリジナルストーリー『おむすび』(24年度後期)のラス前は、主人公が名台詞ぽいものを語った。
「食べることは 生きることだけでなく、そのかたの家族や未来にもつながっているということです」
もうひとりのヒロインのようだった姉・歩(仲里依紗)は身寄りのない詩(大島美優)の未成年後見人になろうと考えはじめ、奔放だったギャル姉妹がしっかり生きていく感じを漂わせた。
これだけ読めば、いい話のようだけれど、『おむすび』はもともとギャル姉妹設定が視聴者になじまなかったようで、最後、無理やりいい話にまとめた印象になってしまった。







