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躁状態とうつ状態を繰り返す双極症。人類は進化の過程で、この発症リスクとなる遺伝子の型を変化させてきたという。「魚の消費量が多い国ではうつ病が少ない」は本当か?双極症のゲノム要因と、人間の才能の意外な因果関係とは?※本稿は、精神科医の加藤忠史編『「心の不調」の脳科学 脳の中で、何が起きているのか』(講談社)のうち、加藤忠史執筆部分と池田匡志執筆部分を抜粋・編集したものです。
半世紀に一度の頻度で
革新が起きる遺伝研究
精神疾患は、ほかの多くの疾患と同様に、ストレスなどの環境要因とともに遺伝要因が発症に関わっています。
私は精神科の医師として精神疾患の患者さんの診断・治療に当たるとともに、精神疾患に関連する遺伝情報を統計学的に解析するゲノム研究を行い、それを臨床に役立てようとしています。
遺伝に関する研究では、約50年に一度ほど大きな発見や革新があるといわれています。
1859年にはダーウィンが『種の起源』を著し生命進化における自然選択説を提唱しました。1900年にはメンデルの遺伝法則が再発見され、1953年にはDNAの二重らせん構造が解明されました。2000年代には、ヒトゲノムのすべてが解読されるという大きな進展もありました。
それと並行して2002年ごろに開発されたゲノムワイド関連解析(Genome-Wide Association Study:GWAS)は、それらに匹敵する、遺伝学をベースとした医学における大きな功績と評価できそうです。GWASによって、精神疾患を含むさまざまな疾患や体質と遺伝情報の関係の解明が大きく進んだからです。







