インフレ対策資産を買うべき本当のタイミングとは
もし若い働き盛りの人が、今のイラン情勢のニュースを見て怖くなり、株を売ってインフレ対策資産ばかりを買ってしまったらどうなるか。一時的な物価高からは資産を守れるかもしれないが、その後何十年も続くはずだった「株式投資による大きな利益」を丸ごと手放すことになってしまう。
これを投資の世界では「機会損失」と呼ぶ。同社の緻密な計算によれば、早くからインフレ対策ばかりを気にした守りのポートフォリオを組むと、結果的に生涯で使えるお金の量が最大で10%も減ってしまう可能性があるという。
インフレ対策資産を買うべき本当のタイミングは、退職が近づき「自分の稼ぐ力(人的資本)」が小さくなってきた時だけだ。若くて稼ぐ力があるうちは、一時的なインフレのニュースに過敏にならず、利益を大きく伸ばせる株式などに投資を続けるのが最も理にかなった選択なのである。
今、私たちは中東の地政学的なリスクという、個人の力ではどうにもならない大きな波の真っ只中にいる。毎日ニュースを見れば、原油高や物価高の報道があふれており、生活への不安が募るのは当然のことだ。
しかし、このような時代だからこそ、小手先のテクニックに頼ってはいけない。物価が上がると騒いで怪しい投資話に乗ったり、不安に駆られて極端な資産の入れ替えを行ったりするのは逆効果である。
今を生き残るために大事な2つのこと
バフェット氏が教え、ブラックロックのデータが客観的に証明した「インフレ時代の正しい生き残り方」は、次の2点に集約されるだろう。
第1に、何よりも自分自身のスキルに投資することだ。本を読み、新しい技術を学び、日々の仕事の質を高める。
あなたが「他の人よりも上手にバイオリンを弾ける(=優れた仕事ができる)」ようになれば、世の中の物価がどう変化しようと、社会はあなたに十分な対価を払い続けてくれる。誰にも奪われないあなたの「稼ぐ力」こそが、どんな環境下でも価値が下がらない最強の資産である。
第2に、焦らずに成長資産(株式など)を持ち続けることだ。長い目で見れば、優良な企業はインフレに合わせて自社の商品やサービスの値段を適切に引き上げ、利益を伸ばしていく力を持っている。
自分の稼ぐ力と、企業の成長力。この2つを味方につけていれば、インフレという荒波を乗り越えることは十分に可能である。
外の世界で何が起きても、自分がコントロールできることに集中する。自らを磨き続けることこそが、激動の時代を生き抜くための最も確実で、最も力強い法則なのである。








