不登校ビジネス業者がよく使う“危ない宣伝ワード”とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

子どもに学校に行ってもらいたい一心で、インターネットで必死に情報収集する親たち。そんな切なる親心を利用するような高額なフリースクールやカウンセリングなどが増えているという。彼らの共通点は「宣伝のうまさ」にある。巷で横行する“不登校ビジネス”の闇に迫る。※本稿は、和光大学教授で公認心理師でもある高坂康雅『不登校のあの子に起きていること』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。著者の名字は正しくは「はしご高」。

保護者の悩みにつけこむ
不登校ビジネスの罠

 不登校の子どもが増え、その対応に悩む保護者が増えると、そのような子どもや保護者をターゲットとしたビジネスが発生してくるのは、当然のことです。急増しているフリースクールも保護者から利用料を得て、子どもの支援を行っているという意味では、ひとつのビジネスといえます(必ずしも利益を追求しているわけではありませんが)。

 ニーズのあるところにビジネスは発生し、それを利用しニーズが満たされるのですから、そのようなビジネスすべてが否定されるわけではありません(それを否定したらあらゆる商売が成り立ちません)。

 しかし、なかには、保護者の悩みにつけこみ、子どものためにならないような相談や支援を行って高額な費用を請求する企業や団体もあり、それらは一般に「不登校ビジネス」と呼ばれています。

 不登校ビジネスには、不登校専門カウンセリングや不登校専門家庭教師・学習塾などさまざまな形態があります。共通する特徴はなんといっても金額の高さで、逆に言えば、常識を超える金額を要求してくる企業や団体は不登校ビジネスであると思っていいでしょう。