村祭りの美人姉妹が眼福
原案との違いはほかにもある。りんの父母の設定だ。
原案の大関の父は、妻に学問をさせ馬術も習得させる先進的な人だった。
一方、ドラマの信右衛門は保守的。美津(水野美紀)が畑で働きたいと言っても「私はこの白い手が好きなのだ」と首を縦に振らない。彼は妻を「お姫様」視している。でも美津は、夫に大事にされている白い手で武芸(なぎなたなど)もしっかり会得して、いざとなると毅然(きぜん)とする。そこはアクションのできる水野美紀らしい見せ場もある。
前作『ばけばけ』のヒロイン・トキの父(岡部たかし)は明治維新によって武士としてのアイデンティティを失い立ち尽くすしかなかった。『風、薫る』も『ばけばけ』も同じ時代であり、すすんで農業に従事しているように見えた信右衛門は心の片隅に武士への思いがくすぶっている。
信右衛門は学問を刀に置き換えた言葉を発しながら、実はこっそり納屋に刀を隠し持っていた。それをりんが見つけて目を丸くする。
時代が変わる悲哀を通奏低音に、コロリがひたひたと流行り始めている。だが村祭りが中止にならず、村人たちが密集しにぎやかだ。りんは家族4人で祭りを楽しむ。
もしかして祭りの途中でコロリ患者が出て――という悲劇になるのではないかとドキドキしながら見たが、祭りはただただ楽しい。ひとつだけ、虎太郎と目が合い、りんが近づこうとしたら、信右衛門に仕えていた忠実な中村義正(小林隆)に悪気なく阻まれてしまう。残念!
祭りを楽しむりんと安(早坂美海)。こんな美人姉妹(令和ではこういう見方はいけないかも)が歩いていたら、注目の的であろう。早坂美海さんは昨年、連ドラ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)ではホストにハマる女子高生役で出演したフレッシュな19歳。直美役の上坂樹里さんと同世代だ。
りんのパートに注目していたら直美パートについて触れられなかった。東京の直美についてはまた明日。







