上坂樹里が感じた“悔しさ”

 さて、吉江(原田泰造)を泣かせた直美を演じる上坂樹里さんのコメントを紹介しよう。

――主人公・大家直美役に決まった時のお気持ちは?

 私は主人公として“朝ドラ”に出演することを俳優として一番の夢だと言い続けていたので、主人公に決まったと聞いたとき最初は理解ができないくらい驚きましたし、「こんな幸せなことがあっていいのだろうか……」と思いました。

 ただ、オーディションでの手応えは一切感じませんでした。正解が分からず進んでいくなかであまりにも緊張してしまってうまくいかず、最終オーディションが終わった後はすごく悔しくて。

 いつもはそんなことをマネージャーさんに言わないのですが「悔しかったです」とおもわず伝えてしまいました。

 それが、驚くことに主人公に決めていただき、後日演出の方とお話ししたときに「お芝居がナチュラルでうちに秘めた強さが今回の役とリンクしていた」と言っていただけたんです。

 自分ではダメダメだと思っていた演技を評価していただいたとわかり、本当にうれしい言葉でした。

――大家直美という役をどのように演じていますか?

 直美は人間味あふれる女性です。小さいころに親から捨てられ教会で育ったので、生きることにとても貪欲で生きるためならプライドを捨ててなんでもする覚悟で過ごしている強い子です。

 人と接するときに正直になれない不器用さや、かわいらしい優しさもあり、いろんな顔を持っているところが魅力的だと思っています。

 自分とかけ離れている役ではあるので、今でも怒りや強さの表情をどうすればいいかが難しく迷うこともありますが、すぐに演出の方とお話をさせていただける環境があるので本当にありがたいです。

 そして、迷って考える時間もすごく楽しくて、一つ一つのシーンを大切にして全力でお芝居できたらと思っています。

 今は当たり前にある看護という職業がなかった時代に、その道を切り開いた大家直美という役と長い期間を二人三脚で生活できることは幸せなことだと思いますので、 今後の自分にどんな変化が起きるのかとても楽しみにしています。

原田泰造が演じると“善人”っぽい!泣き顔なのに「泣いてませんよ」と強がるシーンが秀逸〈風、薫る第3回〉
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