フリーターとは要するに若年アンダークラスのことだから、これらの研究は、どのような若者がアンダークラスになりやすいかを明らかにしようとしたものと考えてよい。

 しかしある程度以上の年齢になれば、たとえば離死別女性の場合など、これらとは別の要因がアンダークラスへの所属に影響する可能性がある。また、親からの暴力やいじめなども、アンダークラスへの所属に影響している可能性がある。

女性は男性の2倍の確率で
アンダークラスに転落してしまう

 そこで、これらの要因も考慮に入れた分析を行ってみることにしよう。図表6・6は、その結果を示したものである。

図表6・6 アンダークラスへの所属を決定する要因同書より転載 拡大画像表示

 有意水準は結果が統計学的に十分信頼できるかどうかを示すもので、一般的には5%(つまり0.05)より小さければ統計的に有意、つまり信頼できるとみなされる。有意確率が0.000となっているのは、四捨五入しても0.001に達しない、つまり有意確率が0.0005未満だという意味である。

 これまでの研究が明らかにしてきた事実のいくつかは、ここで再確認されたといってよい。女性のオッズ比は1.962とかなり大きく、女性はオッズ比でみて男性の約2倍の確率でアンダークラスになる。大学卒以外の学歴の人は大学卒に比べてアンダークラスになりやすいが、この傾向は学歴が低いほど顕著で、高校卒の人は約3倍、中学卒の人は約4倍、アンダークラスになりやすい。

 そして学校を出てから就職するまでに1カ月以上の空白があると、すぐに就職した人に比べてアンダークラスになりやすい。年齢には影響力が認められなかったが、これは年齢の影響力が、学校から就職するまでの空白の影響力に含まれているからだろう。若い人ほど、空白のある人が多いからである。