家庭環境や親の所属階級で
子どもの所得が決まる現実
『新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉』(橋本健二、講談社)
しかしそれ以外にも、さまざまな要因が人をアンダークラスに導いているようだ。
まず、「父アンダークラスまたは不詳」の人、つまり父親が不在だったり、非正規雇用者や無職だったり、職業が不詳だったりした人は、アンダークラスになりやすい。
親から暴力を受けた経験のある人は、アンダークラスになりやすい。ただしこれについては、オッズ比が1.213とかなり1に近く、有意確率もぎりぎり5%を下回る程度なので、あまり強い影響力があるというわけではなさそうだ。
一方、いじめにあった経験のある人、最終学校を中退した人、不登校を経験した人は、アンダークラスになりやすい。オッズ比は1をかなり上回っており、とくに中退と不登校の影響は大きいようだ。そして離死別を経験した女性は、それ以外の人に比べて、アンダークラスになる確率がオッズ比で4倍近くにも高まる。
所属階級は出身階級、つまり父親の所属階級によって決定される部分が大きい。
たとえ本人が努力をしても
階級から抜け出すのは困難
また学歴は、所属階級に強く影響する。しかし、出身家庭での経験や学校を出るまでの経験も、所属階級に影響しており、とくに在学中の困難な経験や、スムーズに就職できなかったことは、あとあとまで人々の所属階級に影響し、人々をアンダークラスへと導くようだ。
同書より転載 拡大画像表示
アンダークラスの人々は、経済的に苦しいのみならず、さまざまな困難を抱えている。非正規雇用が大幅に拡大している以上、アンダークラスが巨大な規模で出現するのは必然的であり、それは個人の努力によって避けられることではない。そしていくつかの、本人の責任にはよらない要因が、人をアンダークラスに導いている。アンダークラスの困難には、こうした要因の積み重ねの上でもたらされる部分もあるということである。







