幸せを満喫したいなら
体全体で気持ちを表現しろ

 幸福感を「削ぐ」心の習慣についてはすでに見てきたが、反対に幸福感を満喫し、高める方法について見ていこう。下の表に幸福を「味わう」ための4つの「心の習慣」をまとめた。

図表:幸福を「味わう」4つの「心の習慣」同書より転載 拡大画像表示

 これを見ると、それぞれの習慣が、「削ぐ」習慣と対称の関係にあることが一目瞭然だろう。

 最初の「態度で示す」は、自分の人生を幸せに満喫したいなら、嬉しいときには喜びの感情を表に出そう、というものだ。興奮すれば両手をパタパタさせ、子犬を見ればクークー妙な声を出している私には嬉しい情報である。

 幸福感を高める方法としては、人生の楽しい瞬間には、全力で「浸る」ことも挙げられる。余計な考えは捨て、マルチタスクをしようとせず、幸せな体験に細部までのめり込むのだ。私はこれを日常生活に取り入れて、毎日の昼食休憩を本気で取ることにした。

 これまでの私は、いつもランチタイムを「生産的」に使いたい誘惑に駆られて、ブリトーを頬張りながらメールに返信していた。でも、それではストレスはたまるばかりで、時間も飛ぶように過ぎてがっかりしていた。それで、PCから離れ、外に出てどこか良い場所を探し、ゆっくり食事をしてすべてを味わい、道ゆく人びとを眺め、ミシガン湖からの涼風を満喫するようにした。

素晴らしい人生を歩む人は
過去を振り返らない

書影『なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか』(デヴォン・プライス著、佐々木寛子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)『なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか』(デヴォン・プライス著、佐々木寛子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 人生の幸福度を高める習慣として、良い経験を「人と分かち合う」のも効果的だ。良いニュースは人と共有し、時間を取ってみんなで祝うようにしたい。

 これまでは、自分の成果を誇るのはみっともない、報酬を期待せずにただひたすら努力し続けるべきだと言われてきた。しかし実際には、誇らしいことは強調したほうが効果的だと実証されている。うまくすれば、良いニュースを共有した相手の気分さえ高められる。人は、自分の友人や家族の栄光を共に喜びたいもので、成功して幸せな友人を持つことが自尊心を高めるという研究もある。

 あと1つ、健康的な心の習慣として実践したいのが、「ポジティブな心のタイムトラベル」だ。将来を常に思い悩んだり、過去の悲しい出来事を考えたりするのとは真逆の行為だ。

 人生を味わう達人は、良い経験を追想する方法を熟知している。その上、今後も喜ばしい経験がたくさんあると期待しているため、彼らの人生は幸福感と期待と希望に満ちている。