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新関税に早くも米国内で無効求める訴訟
USTRは301条関税念頭に調査開始
トランプ大統領は相互関税が連邦最高裁判所で違憲とされたことを受けて、1974年通商法122条を根拠として、輸入品に課す世界一律10%の関税を新たに発動した。そして関税率を15%に引き上げると表明している。
ところが、この新関税は早くも訴訟に見舞われている。
オレゴン州やカリフォルニア州、アリゾナ州、ニューヨーク州などが3月5日、新しい関税は誤った法解釈に基づく措置であり、無効だとして、米国際貿易裁判所に一斉提訴し、徴収の停止を命じるよう同裁判所に求めたのだ(注1)。
通商法122条は、アメリカが「根本的な国際収支問題」に直面した場合に、大統領に関税を課す権限を認めているが、各州の訴訟は、アメリカが国際収支上の問題に直面していないという理由に立っている。
日本は、日米関税合意で、相互関税の税率引き下げと引き換えに約束した「対米5500億ドル投資」の着実な履行を改めて米国側に伝え、新関税でも日米関税合意の内容が維持されることを求めている。
だが、新関税も違憲の疑いがあるとなれば、日本がそれを無条件で受け入れる必要があるのか、疑問だ。
実際、トランプ政権自体は122条関税が提訴され、敗訴することを予想しながら、本命の通商法301条に基づく関税導入までの「時間稼ぎ」と位置付けている節がある。
11日には、通商代表部(USTR)が日本や中国、欧州連合などを対象に301条発動の事前調査を始めることを発表した。
一律10%新関税の正当性はますます怪しくなっている。







