具体的には、体を使った小さなアクションを取り入れることで、自分の疲れに気づきやすくなります。たとえば、

・深呼吸を3回行う。まず、体の力を抜き、口からゆっくりと息を吐き切る
・体のどこが緊張しているかを感じ取り、その部分を緩めるイメージを持つ
・「今、私は休む必要がある」と心の中で繰り返す

 このように、忙しいときこそ少し立ち止まることを習慣にすると、今の自分に必要な行動を選び取る力が養われていきます。

休むことがきっかけで
人間関係が深まることも

 休むことで得られるメリットは、仕事やチームだけにとどまりません。それは、あなたの人生の基盤である「人間関係」にも影響を及ぼします。

 ある社員は、キャリアに行き詰まりを感じており、「この会社を辞めて別の企業に転職しよう」と考えていました。

 しかし、あるプロジェクトでチームのみんなが、休んだ自分のサポートに回ってくれたことで、彼の気持ちは大きく変わります。そのプロジェクトは、彼の健康状態が優れないことを知った同僚たちが「手分けして彼の仕事をカバーしよう」と話し合い、自然発生的に行われたものでした。

「周囲がここまで気にかけてくれるとは思っていなかった」という感謝の気持ちから、彼は転職を考え直し、むしろ「この会社に恩返しがしたい」と思うようになったそうです。

 その後、彼はリーダーシップを発揮し、次のプロジェクトでは自ら率先して他のメンバーを支える立場に回りました。

 このように、休むことをきっかけに、チーム全体の人間関係が深まり、結果的にその人自身の人生も変わっていくこともあるのです。

家族と過ごす時間が
ストレスを軽減してくれる

「休むこと」は、私たちの仕事だけでなく、人生全体にも影響を与えます。特に、家族との時間や人生の基盤を支える上で重要です。

 たとえば、ある駐在員は家庭とのバランスを取るために、1日1時間の「家族タイム」を意識的に確保するようになりました。

書影『スタンフォード式 最高の休み方』(鈴木亜佐子、すばる舎)『スタンフォード式 最高の休み方』(鈴木亜佐子、すばる舎)

 彼は以前、仕事優先の生活を送っていましたが、休む時間をつくり、子どもとの遊びや夕食を共にする時間を増やすことで、家族の絆が深まりました。

 週末には、奥さんが行きたがっていたディズニークルーズを半年前から予約するなど、休暇を家族の思い出づくりに使うようになりました。休日には同年代の家族とキャンプに出かけ、焚き火を囲んで笑い合う時間が、何よりのエネルギー補給になったそうです。その結果、家庭内でのストレスが減り、仕事に対してもより積極的に向き合えるようになったといいます。

 ここまでの話を通じて、「休むこと」がただのリフレッシュではなく、人生を豊かにする投資であることをご理解いただけたのではないでしょうか。休むことは、単なる「ストレス解消」ではなく、「次に進むための準備」や「関係を深めるチャンス」でもあります。

 ぜひあなたも、日々の中に休息を取り入れてみてください。その先には、これまで気づけなかった自分の可能性や、新しい人間関係が広がっているかもしれません。