だが、「心が折れる」という言葉が登場し、定着したことからしても、レジリエンスが低く、落ち込みやすい人、頑張り続けることができずすぐに諦めてしまう人が増えているのは間違いないだろう。
仕事の要領が悪い後輩にアドバイスをしたら、親切のつもりで言ったのに、傷つけてしまったようで困ったという人もいる。
「書類に誤字が多く、文章もちょっとおかしかったから、添削指導という感じで、先輩としてやんわり指摘してあげたんですけど、何だか元気がなくなり、しょんぼりしてしまって、いじめたみたいな雰囲気になって、困っちゃいました」
「お客が多くて、みんないっぱいいっぱいだったので、その後輩が相変わらず要領が悪くて滞りがちなため、『まだ終わらないの?もう少し手際よくやらないとね』って言ったところ、非難されたように思ったのか、自分が要領よくできないのが悲しいのか、泣き出しちゃったんです。そのときは、ほんとに焦りました。辞められても困るし、パワハラを疑われても困るし」
レジリエンスを鍛えるには
どうしたらいいのか
レジリエンスを高めるには、思うように物事が進まないときや望ましい結果が出ないとき、あるいは失敗したときの受け止め方を修正することが大事となる。レジリエンスの低い人はそのようなときに感情反応をしやすい。そこで認知反応をするように心がける。
「なんでこんな目に」「どうしてダメなんだ」「もうイヤだ」というのが感情反応。それを「どこがまずかったんだろう」「どうすれば挽回できるかな」「同じミスをしないためにどんなことに気をつければいいかな」というのが認知反応である。感情でなく論理で反応するよう心がけるのだ。
また、失敗の意味づけを考えることも重要だ。レジリエンスの低い人は失敗にネガティブな意味づけしかしていないが、レジリエンスの高い人は「失敗をつぎに活かす」「失敗を糧にして成長できる」というように、失敗にもポジティブな意味づけをしている。
『すぐに「できません」と言う人たち』(榎本博明、PHP研究所)
さらにいえば、苦労すればするほどレジリエンスは高まっていく。苦しい状況におかれても諦めず頑張り抜いた経験の積み重ねがレジリエンスの高さにつながる。ゆえにレジリエンスを鍛えようと思うなら、少し無理してでも頑張る姿勢をとるよう心がけることも大切である。
筋トレと一緒で、無理をしないとレジリエンスは向上しないのだが、「傷つけないように」「無理をさせないように」といった過保護で甘い環境で育ってきたせいか、傷つきやすく、すぐに諦める人が増えているようだ。
たとえ前はダメだったとしても、状況も違うし、試す価値はあるだろうに、最初から諦めてしまうし、「とりあえずやってみよう」という気概がない。そうした心構えがないと窮状を打開することはできないし、仕事力も高まっていかないのだが、強引なことは言いにくい時代だし、どう指導したらいいのか、経営者や管理職は頭を悩ませている。







