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交渉は苦手、電話は無理、雑談から逃げる……。仕事に欠かせないコミュニケーションすら避ける部下に、頭を抱える管理職は多い。人付き合いを苦にしない人からすれば理解不能に思えるが、彼らが恐れていることを知れば対処のしようがある。対人不安を抱える人の本音とは?※本稿は、心理学者の榎本博明『すぐに「できません」と言う人たち』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
コミュニケーションが苦手で
営業がまったくできない
コミュニケーションに苦手意識をもつ部下を抱え、その扱いに手を焼く管理職も少なくない。
取引先との次年度の契約に関する交渉に出かけた部下が、こちらの意向を棚上げし、先方の要求をそのまま受け入れる条件をもち帰ったため、
「何をしてるんだ。ちゃんとこっちの意向を伝えて交渉したのか?」
と尋ねると、
「一応言いましたよ。でも、先方の意向がこういうことなので」
とあっさりした調子で答える。そこで、
「だからって、向こうの要求を丸呑みはないだろう。しっかり粘って交渉したのか?」
と追及すると、
「そういう交渉事っていうの、苦手なんですよ。こっちが主張して険悪な雰囲気になったことがあるし、場の空気を和らげる雑談なんてできないですし。だから営業は向いてないって、はじめから言ってたんです」
と開き直ったように答える。
このような部下をどう扱ったらいいかわからないという管理職もいる。
営業ではないけれども、出版社のケースで、コミュニケーションに難のある部下への対応に悩む管理職もいる。
約束の期限をかなり過ぎても何の音沙汰もなく、原稿も送られてこないため、電話で催促するように言うと、
「ちょっとそういうの苦手なんで、代わりに言ってもらえませんか」
などと逃げ腰になる。







