「じゃあ、こういう道もあるかな?」「このルートも悪くないかも」というように、プランBやプランCを持っておくことが、精神的な安心感に繋がります。受験の日にも「AがダメでもBがあるし」と思えるから、無駄に緊張せず、むしろ自分の力を発揮しやすくなる。
でも残念ながら、多くの大人や先生たちは「プランBを持つのは甘えだ」と言ってしまう。「逃げ道を考えるな」「Aだけを目指せ」と言うんです。しかし柔軟な選択肢を持たないまま突き進んでも、結局上手くいかない。だからこそプランBは、絶対に必要なんです。
にもかかわらず、「一生懸命」という言葉の意味を“ひとつのことしかやっちゃいけない”と誤解してしまっている大人があまりにも多い。それが、「失敗」を極端に恐れる社会をつくってしまっている原因のひとつだと、僕は感じています。
今の日本社会に蔓延る
失敗を避ける大人たち
植松:失敗をしない方法って、実はすごく簡単なんです。一番確実なのは「何もしないこと」。これなら絶対に失敗しません。2つ目の方法は「すでにやったことだけを繰り返す」こと。新しいことに挑戦しなければ、失敗することはありません。そして3つ目の方法は、「言われた通りにだけ動く」こと。こうすれば、失敗しても「自分のせいじゃない」と言える。責任を他人に押し付けられるんです。
実はこの「失敗しない3原則」を忠実に守ってしまっている大人が、今の日本にはたくさんいます。けれど、それをやってしまうと何も生み出せなくなる。成長できなくなって、考える力もなくなる。つまり、「何のために人として生まれてきたのか」がわからなくなってしまうんです。
そんな大人たちが、次の世代に「失敗はダメなことだ」と教えてしまっている。これは、本当に恐ろしいことです。確かに、ビジネスの世界ではパートナーや取引先との関係があるから、失敗にはペナルティが発生します。それは仕方のないことかもしれません。でも教育にまでそれを持ち込んではいけない。教育というのは、本来「失敗を通じて、その乗り越え方を学ぶ場所」なんです。ところが今は、大人社会のビジネス的な常識を、そっくりそのまま子どもたちに押し付けてしまっている。







